
9月5日の竜巻災害における〝牧之原モデル〟の対応が、国の『災害救助法』の運用要項を変えました!
被災者支援のエキスパートで静岡市の中央法律事務所の永野海先生をはじめ、未曾有の牧之原市・吉田町の竜巻被災に迅速かつ懇切丁寧に対応してくださっている全ての日本全国の被災者支援の専門家やボランティア、そして国県市町の担当の公務員や社協等のみなさまにも、心から感謝いたします!

<永野先生のSNS投稿です>
【祝・速報】先月の発災以来、静岡県被災者支援連絡会と連携して行ってきた、「静岡県災害対策士業連絡会」による牧之原市と連携した被災者相談の活動が、今般、国から最大限の評価をされ、災害救助法についての具体的な運用を定める「災害救助事務取扱要領」の改正につながりました。
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災害救助事務取扱要領(令和7年10月改正版)
→ こちら!!
具体的には昨日公開された上記の102pをご覧下さい。この「エ」が新設されました。
これは、今後、自治体との連携による士業連絡会による相談活動に救助事務費が支出できる規定の新設で、日本でもちろんはじめてのことになります。
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大げさな表現でなく、令和元年の台風19号以来の、われわれ士業連絡会の自治体と連携した現地相談活動への士業連絡会の先生方のご協力、ご尽力、被災された皆さんへの寄り添いが、「災害救助」の概念を変えた(広げた)歴史的瞬間の1つではないかと思っています。
個人的には、ロビー活動も、要望も何もしていないのに、現地でただただ一生懸命みんなで頑張っていただけの活動をみてもらい、こうした法律の運用改正につながったことも何だかうれしいです。
今年、改正災害救助法が施行され「福祉サービス」が災害救助に加わったことがもちろん要領改正を可能とした背景としてあり、とてもタイミングもよかったと思います。
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なかなか簡単ではないですが、今後、牧之原モデルともいうべき、今回のような自治体と士業の理想的な連携が全国に広がればと思います。
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なお、牧之原市は竜巻被害による罹災証明書の発行件数が「約1200件」なのに対して、弁護士会及び士業連絡会が発災後に対応した被災者相談の件数は「約800件」に上っています。
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また、罹災証明の再調査支援では、牧之原市さんから住家被害認定調査票の全面開示を受け、これを詳細に調査することで、被災された方の理解、納得をいただきつつ、再調査の(被災者目線での)無用な申請を減少させた上で、
士業連絡会(ほぼ建築士会さん)と牧之原市税務課さんとの良好な信頼関係と具体的連携の結果、再調査された案件のうち半数以上が判定が上がるという結果につながりました。
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実際に要領に新設された規定
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エ 福祉に関する相談を中心に、災害応急期における被災者のあらゆる相談に対応する目的で、都道府県知事等が各士業関係者と連携し主催する相談会等の相談対応や、都道府県知事等の要請を受けて、各士業関係者が連携して開催する相談会等の相談対応についても福祉サービスの提供として整理して差し支えない。ただし、被災者台帳や内閣府が示す被災者台帳ヒアリングシート(例)等を活用し、都道府県知事等と士業関係者間で、相談を受けた被災者に関する情報共有を密に行うこと(例:士業関係者は、あらかじめ被災者本人の同意を得たうえで、相談内容を当該自治体に提供する)
このとき、相談対応に要する日当、時間外勤務手当、旅費(宿泊費を含む。)等については、賃金職員等雇上費で取り扱うこととなるが、他の福祉サービスの提供主体との公平性に鑑み、当該都道府県等の常勤の職員(福祉職)に相当する者の給与を考慮した額とすること。
ただし、ここでいう「相談対応」とは、被災者のニーズを明らかにし、支援先につなぐことを想定したものであることから、被災者から相談があった内容のうち、各士業関係者が、業として個別具体の案件として処理することで発生する報酬に相当する費用等については、国庫負担の対象外となる。
また、各種法令に基づく相談対応は、各種法令による支援が優先されるため国庫負担の対象外となる。