
静岡県議会『令和7年度9月定例会』は本日25日、4名の議員による一般質問が行われました。それぞれの先生方の個性や視点がにじみ出た有意義な1日だったわけですが…私にとっては、自民改革会議の相坂摂治前幹事長(51)による『リニア中央新幹線の開通を見据えた取組について』という質問が一番印象的でした。
昨年春の川勝前知事の辞任以降、県議会での注目や論戦が、すっかり減退してしまったテーマだったので、とても注目していましたが…県都・静岡市駿河区選出の相坂県議の「リニア開業の効果」「本県のメリット」という問い掛けにも、鈴木知事の代わりに答弁に立った山田企画部長の頭の中にも…「東海道新幹線の富士山静岡空港新駅」という選択肢が、今やすっかりと抜け落ちてしまっているという現実を思い知らされました。
本当にこのままでよいのか? 静岡県のど真ん中、陸海空の交通インフラの要衝に、日本の誇る鉄路・新幹線との接点が、未来永劫閉ざされることは…度重なる竜巻災害に苛まれている故郷を代表する県議として、残念でなりません。。非力な政治家として、全県民の理解を得るための作戦を練り直す必要性を痛感しています。
【相坂県議】
リニア中央新幹線の開通を見据えた取組について伺います。
リニア中央新幹線は、単なる移動手段の進化にとどまらず、地域経済や物流、人の流れ、そして産業構造全体に大きな変化をもたらす国家的プロジェクトです。開業すれば、東京圏、名古屋圏及び大阪圏の3大都市圏が1時間程度で結ばれ、スーパー・メガリージョンの形成が目指す姿です。
一方県内では、水資源の維持、南アルプスの自然環境の保全との両立を目指し、国やJR東海等、関係者との協議が引き続き行われており、専門部会が議論している28項目の課題に対して、解決に向けた対話が進められ、11項目が終了したとのことであります。スピード感を意識しながら、関係各位への着実な進展を望むものであります。
さて、これまでも議会や委員会で取り上げてきたように、リニア停車駅が設置されない本県ではあっても、新幹線の停車本数の増便、充実をよって、高速移動網の経済圏に位置づけられることが極めて重要であります。今後は、リニア停車駅を有する都市との交通ネットワークを活かし、清水港、富士山静岡空港など、産業基盤、交通基盤の利用者の裾野を広げることが新たな成長の鍵を握っていると私は思っています。
リニア開通の効果を「通過されるもの」として受け止めるのではなく、「取り込むもの」として捉えるべきであり、県として明確なビジョンと戦略を持つことが重要であります。交通や産業政策に限らず、人口減少・地域活性化・人材流動など、県政全体に関わる横断的なテーマとして位置づけ、総合的な対応が求められています。
リニア開通に向かって生じる変化や開通の効果を適確に捉え、広域連携の視点に立って、戦略的な取り組みを見出していただきたいものであります。
昨年度末には、私どもからの要望に応じて、県の総合計画にリニアに関する記載も実現していただきました。そこで、リニア開通後の県内の経済波及効果について、どのように認識しているのかご所見を伺います。また、開業後の様々な効果を最大限に取り込み、本県の発展に活かしていくことが重要だと考えますが、県としてのお考えを併せてお答えください。
【山田企画部長】
リニア中央新幹線の開通を見据えた取組についてお答えいたします。
現時点点で、リニア中央新幹線を巡っては、工事着工の前提ととなる専門部会での生物多様性、要対策土の議論を精力的に行っておりますが、議員御指摘のとおり、リニア開業の効果を本県のメリットとして最大限に取り込む方策を戦略的に検討していくことは重要であります。
令和5年の国土交通省公表資料によりますと、リニア中央新幹線の全線開業により東海道新幹線の停車回数が増加した場合、10年間で約1700億円の経済波及効果が見込まれるなど、本県に大きな効果があるとされております。
既に、リニア開業に合わせた静岡駅、浜松駅のひかり増便の方向性が示されておりますが、今後、リニア開業を見据えた協力体制の構築について、国やJR東海との議論を進めてまいります。
リニア開業の効果を本県に取り込むためには、東海道新幹線の利便性向上を踏まえた地域づくり、リニア停車駅との間を結ぶ新たな観光ルート形成による産業の活性化、中部横断自動車道や清水港、富士山静岡空港等を活かした山梨県、長野県との連携等、経済的なつながりの拡大に向けて検討を進めていく必要があると認識しております。
リニア開業が本県に与える影響は、正に、部局横断的な課題であります。今後、社会経済の変化を分析・整理した上で、全庁的な体制で、本県の発展につながる取組を進めてまいります。
<25日の一般質問>
【小沼秀朗(52=自民改革会議)】
1 知事の政治姿勢について
(1)県議会との財政改革の進め方
(2)県民理解を得る多文化共生の推進
2 戦略的なお茶の振興策について
3 急傾斜地崩壊対策の今後の進め方について
4 有事に備えた防災訓練の内容の充実について
5 カーボンニュートラル社会の実現に向けた中小事業者への支援について
【相坂摂治(51=自民改革会議)】
1 知事の政治姿勢について
(1)世界の人口動向と本県の経済政策
(2)中期財政計画の優先的解決事項
2 リニア中央新幹線の開通を見据えた取組について
3 米国との今後の関係構築について
4 政令指定都市への支援の在り方について
【良知駿一(43=ふじのくに県民クラブ)】
1 職員の力を引き出す人事戦略の高度化とデータ活用について
2 SNSリテラシー教育を受けてこなかった世代への教育や支援について
3 定時定路線を基盤とした地域公共交通の再構築について
4 釣橋川流域の治水対策について
5 義務教育段階における生成AIの活用状況と今後の方向性について
6 県立高校への寄附受入制度の創設について
【中沢公彦(57=自民改革会議)】
1 事務の適正執行に関する全庁的な対応について
2 本県の洋上風力発電の導入可能性と今後の展開について
3 育成就労制度への移行等を踏まえた外国人材の受入れに対する県の取組について
4 行政職員の県議会に対する向き合い方について

静岡県の空港管理課は本日25日、牧之原市・吉田町で甚大な竜巻災害を引き起こした今月5日の台風15号の記録的な集中豪雨による『富士山静岡空港の被害と復旧状況』を公表しました。
全国ニュースとなった約300台もの乗用車が、水没等の被害を受けた第5駐車場の冠水については…「国の定める排水施設の設計基準を上回る観測史上最大の113mm/時の豪雨により発生」と結論付けました。
再発防止のため、今後は排水機能等の調査を実施。国や専門家からの意見も踏まえ、原因の分析と短期・中長期的な対策等を検討するとのことです。