
静岡県議会6月定例会の産業委員会2日目は、企業局関連の事業報告と質疑・答弁が行われました。
今日は、朝からうれしいことがありました。コロナ禍以降、各委員会で出される飲み物は、ずっと缶のお茶(=『静岡のお茶です』というタイトルですが…)になってしまったのですが…
「美味しい熱いお茶が飲みたい!」というベテラン委員からの要望で、農業を管轄する産業委員会室では、急須で淹れたお茶が復活したのです。
くしくも今朝の地元紙では「今年の二番茶が昨年の7割高で売れている」との記事がありました。先週の日本農業新聞でも「全国の茶市場で、二番茶の市況が異例の高値を記録している。最大産地の鹿児島県の市場では前年同期比約3倍、静岡県の市場でも同2倍の水準」と報じられていました。
近年の作り手や茶畑の急減や、天候要因で収量が減ったことに加え、輸出用を中心とした抹茶の需要増で、その原料になる碾茶への転換が進み、煎茶の上場数量が減少したことが原因のようですが…
このことは…つまりこの先、抹茶や有機茶への転換や輸出用、ドリンク用品種の生産の棲み分けがうまくできれば…従来の煎茶も、数量はそんなに出なくても、高値で売れるようになり、生産者支援につながるはずです。
先週末の会派の茶業振興議連の勉強会でも、JA経済連の専門家から「全国のお茶の需要減は、8万5000トンの今年が底。これから輸出が伸びて、10年後には9万1000トンと2010年のレベルにまで回復が見込める」と聞きました。
さらに「品質が同じでも、出荷が早ければ早いほど高値が付く農産物はお茶だけ。他の作物とまったく違う。その常識が、世界的な抹茶・碾茶の需要急伸で、根底から変化する可能性が生まれた」とも聞き、目から鱗が落ちました。
つまり「抹茶には新茶シーズンがない! 抹茶に適した品種なら一番茶にこだわる必要もない。抹茶として美味しくて収量が多いお茶を作れば1年中、いつでも高値でたくさん売れる」というわけです!
そういったお茶を愛するすべての静岡県民や生産者が無意識に持っている…今までの常識を根底から覆す指導や支援、告知・PRの必要性を実感しています。
