
静岡県議会6月定例会は本日6月30日から、常任委員会の質疑が始まりました。
なぜか2年連続で産業委員会の所属となったワタシは、今年度は第一副委員長としてタイムキーパーを務めることになりました!
委員長だった昨年度には、やりたくてもできなかった質問もしました! アンカーの副委員長だし、委員会の時間を調整する役なので…数問しかできませんが…(笑)
例年、7つの常任委員会で唯一、産業委員会室だけに置かれる県内産を中心にした『季節の花籠』の内訳は…
・アジサイ<アナベル>(静岡市)
・カーネーション(浜松市)
・トルコギキョウ(浜松市)
・ユリ<八重>(御前崎市)
・カスミソウ(牧之原市)
・ルリタアザミ(長野県)
・リンドウ(岩手県)
…でした!(´- `*)

<26日の一般質問の③>
大石健司: 榛南地域の茶業を中心とした農業の経営安定についてのうち、お茶の振興について伺います。
今年の県内の一番茶の生産は、4月の早朝の低温等の影響により、各地で大幅な減産に見舞われ、静岡茶市場の県内産取引数量は443トンと、前年を約3割も下回り、厳しい状況となっております。
一方で、抹茶の原料となるてん茶や有機茶といった輸出需要の高い茶の引き合いは強く、高単価で取引されています。こうした状況を踏まえ、本県を代表する茶産地である榛南地域の茶業を安定的に継続、発展させていくためには、お茶一本で頑張っている生産者を県がしっかりと後押ししていく必要があると考えます。
県が本年度から輸出に適した品種への改植支援を始めたことは承知していますが、中長期的な茶業振興を図っていくためには、個別の生産者への転換支援だけでなく、基盤整備事業と連携し、大規模かつ効率的に進めて行く必要があると考えます。
また、「静岡県茶業研究センター」の新研究棟が今年3月に完成し「ChaOI-PARC(チャオイパーク)」としてリニューアルしました。
4月8日の開所式には私も参列しましたが、官民一体となった試験研究が強化されたほか、茶業関係者が利用できるChaOIファクトリーやオープンラボが併設されるなど、生産者が大いに活用できる素晴らしい施設だと感じました。このオープンイノベーション拠点を最大限活用し、茶業の発展につなげてほしいと強く願っています。
こうした状況を踏まえ、本県を代表する茶産地である牧之原台地を中心とした榛南地域のお茶振興に向け、県はどのよう取り組んでいくのか伺います。
次に、転換作物の導入支援について伺います。
近年の茶価の低迷によりお茶だけでは経営の継続が難しい中、農業経営の安定を図るため、農閑期にイチゴやミカン、レタスなどを栽培し、茶との複合経営に取り組んでいる生産者が数多くおります。
私の地元である牧之原市では、複合作物として近年、耕作放棄茶園を転用した高級食材の自然薯の栽培が、とても盛んです。県が今月6日から、大阪・関西万博に3日間限定で出展した県産品PRブース「GEO KITCHIN(ジオ・キッチン)SHIZUOKA」で、ふじのくにマエストロの西谷文紀シェフが創作した「自然薯の冷製ポタージュ」が、関西や外国からの来場者に大好評を博した状況を私もこの目で確認し、感動しました。
さらに、自然薯に続く有望な新名物としてレモンの栽培も開始しています。牧之原台地から見下ろせる沿岸部で盛んなサーフィンを意識して、2023年夏に生産者を中心に「波乗りレモン部会」を設立し、他地域との差別化を図ったブランド化戦略に取り組んでいます。
生産者26人で設立した部会は、現在では部会員49人、令和6年12月時点の栽培面積は、7haまで広がっています。
しかし、複合作物の導入には、茶園の他の作物への転換にあたり、茶樹の伐採や抜根、種苗の確保、土壌改良、施設整備などに要する経費が課題であると考えます。
こうした点を踏まえ、複合経営による茶業経営の安定化のための、転換作物の導入や生産者支援について、県の取組を伺います。
浅井農林水産統括部長: 榛南地域の茶業を中心とした農業の経営安定についてのうち、お茶の振興についてお答えいたします。
榛南地域では、平坦、大規模な茶園が多く、低コスト化が可能とから、堅調な需要があるドリンク原料等の生産にいち早く取り組むともに、現在では、旺盛な海外需要に対応するため、輸出拠点茶工場を中心に、抹茶や有機茶に適した生産への転換にも着手しております。
今後、地域の中心となる茶業専業農家の経営を安定させるためには、牧之原台地の特性を活かし、地域全体で規模拡大を着実に進める必要があります。
このため、現在、「牧之原茶園の再編整備プラン」に基づき、大区画化などの基盤整備を2地区32haで実施中であり、このほかの地区においても100haを超える整備構想の策定を進めてまいります。
さらに、本年4月に開所したChaOI-PARCでは、大学やスタートアップとの先端技術の共同開発拠点であるオープンラボや、新商品を開発するCha0Iファクトリーなどを活用し、省力化技術の開発やお茶の付加価値向上を進めてまいります。
県といたしましては、計画的な基盤整備の推進とChaOI-PARCで開発された技術の速やかな普及により、本県茶業を牽引する榛南地域の生産振興に取り組んでまいります。
次に、転換作物の導入支援についてであります。
近年、茶価が低迷する中、茶業経営の安定のための手段の一つとして、転換作物の導入による複合経営は有効な手段であると認識しております。
榛南地域では、転換作物として、みかんやレモン、いちごなどの導入が広がりつつあります。このような作物について、JA等と連携しながら、転換作物の導入を検討している茶農家に紹介し、作物の選定や経営計画の策定を指導することで、新たな取組を後押ししております。
転換作物の導入に当たっては、茶樹の伐採・抜根や転換に伴う種苗・資材の調達、生産施設の整備など、新たな費用がかかることから、果樹経営支援対策事業などを活用し、支援してまいります。
さらに、導入後には、安定生産に向けた技術指導を行うとともに、生産物の選果や出荷調整作業の負担を軽減するため、榛南地域を含めた広域の柑橘選果場や、いちごパッキングセンターの整備を支援することで、茶の複合経営の効率化を図ってまいります。
県といたしましては、転換作物の導入に向けた各段階に応じたきめ細かな支援により、複合経営による茶業経営の安定化を図ってまいります。
以上であります。