
公益財団法人海上保安協会御前崎支部の『令和7年度(第60期) 通常総会』に、今年も御前崎市選出の河原崎全県議と一緒に、ご招待いただきました。
御前崎港を中心にした大井川以西から遠州灘の海域の防犯、安全の確保及び環境保全や普及事業などを海上保安庁とともに、実施している官民協働の公益法人です。
今年で支部創設60周年と知り、来賓挨拶の枕に「私も、今年還暦なんですよ」と話題にしたところ…支部長の薮田国之南駿河湾漁協組合長が、閉会前に御前崎支部設立にいたった衝撃的な経緯を教えてくださいました。
1965年(昭40)10月7日、南太平洋の北マリアナ諸島の海域で操業していた静岡船籍のカツオ・マグロ漁船の計7隻が、気象予報に反して進んできた台風第29号に巻き込まれる海難事故が発生!
最大瞬間風速70mの破滅的な暴風と激しい三角波を伴う巨浪を受け…1隻は島に打ち上げられ大破、6隻が沈没。台風通過後の大捜索で3名が救助されたものの、死者1名、行方不明者208名を出す記録的大惨事となってしまったそうです。
現在の南駿河湾漁協管轄の港からは、第八海竜丸(御前崎)が32名、第五福徳丸(吉田)は31名の2隻が、いずれも乗員全員が船体とともに消息不明となった痛ましい海難事故でした。
働き盛りの港町の漁師たちが一気に亡くなるという悲劇的な出来事を受け、御前崎周辺の漁協や海運関係者が立ち上がり、連携・団結し、事故からわずか半年で海上保安協会御前崎支部が、設立されたのだそうです。勉強になりました。
総会後の懇親会で、私と同い年だという会員の方に声を掛けられました。「僕の叔父さんもあの事故で亡くなったんです。もちろん記憶はないですが、赤ちゃんの僕が母に抱かれて合同葬儀に参列している写真が残っています」と聞きました。
2度と繰り返されてはいけない悲劇だと改めて実感しました。
