
静岡県議会の『原子力発電調査研究議員連盟』の県外視察2日目は、早朝からプロペラ機に乗って、長崎県五島列島の南端の福江島にある五島市を訪れました。
ここでは、自治体(五島市)と業者(戸田建設の100%子会社)が2010年から共同で、国内初の『浮体式洋上風力発電設備』を実用化し、商用運転を行っています。
発電設備の形状や寸法は、海中の一番深いところから風車翼(ブレード)の先端までの全長が172m、海面上に浮いて見える部分の高さは96mです。また、円筒部の最大直径は7.8m、総重量は約3400トンです。
【設備の概要】
・設備名称 崎山沖2MW浮体式洋上風力発電所
・所在地 長崎県五島市下崎山町崎山漁港の沖合(約5.0km)
・所有者 五島市
・運転管理者 五島フローティングウィンドパワー合同会社(戸田建設の100%子会社)
・船名(非自航船) はえんかぜ
・風力発電機 ダウンウィンド型 HTW2.0-80(日立製作所)
・浮体施設 構造形式:ハイブリッドスパー型/係留:3点係留カテナリー方式
環境省の実証事業として建設され、実証期間終了後、国内初の商業運転に入ったこの1号基(はえんかぜ)の成功を受け、4年前に戸田建設のほか、ENEOS、大阪ガス、INPEX、関西電力、中部電力の5社が出資して設立した共同事業体が…五島市の沖合7キロの海域に、出力2・1メガ・ワットの浮体式発電設備を新たに8基設置!!
浮体式洋上風力発電が集積する国内初の『ウィンドファーム』(総事業費約300億円)として、来年2026年1月の営業運転開始を目指して準備が急ピッチで進められているのです。
福江港の沖合い10kmの現地を視察した後は五島市役所を訪問し、担当課から『海洋再生可能エネルギー推進』に全力で取り組み、電気を自給自足させながら、島の再生・復興と雇用の創出やUターン、Iターン移住者の獲得を目指す市の意気込みを伺いました。
市からの説明の後は、地元の福江漁業協同組合の前組合長の熊川長吉さんから、地元漁業者としての御意見を詳しく伺いました。
「日本で初めてのことを海の上でやったんです。くるくる回ることで音や電磁波が出る。いろんな影響があるんじゃないかと心配していたんです。当然ですよ。でも、結果的に5年間、実証事業をして、人間の体にも魚にも影響がないことが分かった。
今では(設備の)周りは藻や貝が生えて、魚がいっぱいくる。最高の漁礁を作ってもらったようなもの。あの場での漁のルール作りも必要だけど、これからは楽しみしかない。五島の漁業の希望です」
行政と業者、住民と漁業者等…全利害関係者(ステークホルダー)が、揃って〝Win-Win〟の関係を築いているような、素晴らしい先例を目の当たりにしました。

夕食は、市内の和風料理店『相良』に伺いました!(゚Д゚;)
何も知らずに、牧之原市細江区のドンキホーテで買った『静岡・榛原Tシャツ』着て行ってしまいましたが…( *´艸`)
その点については、ここでは誰もツッコむ人はいませんでした!(´▽`)ソリャソウダ!
でも、ワタシだけは気になったので、70代の仲居さんに「五島には、相良さんって多いんですかね?(((^^;)」と尋ねてみました。
「前にも同じ質問されました! 熊本からのお客さまでした!(・・;)」というビミョーな反応でした。すかさず「いや…ワタシは静岡から来てまして…鎌倉時代の話をしています」と畳み掛けました。
「えっ!? ちょっと何の話か、わかりません! ともかく、五島に『相良さん』は、ほとんどいません!」という回答でした。
このままでは、何も解決しないので…帰り際に、若い店主の相良さんを呼んでもらいました。。酔いの回った頭でのわずか2分間の取材の結果…
店主の相良尚宏さんのご先祖が、江戸時代に熊本・人吉の相良藩から、ここ五島まで「お皿を作りに送られて来たみたいです! それで五島には、昔『相良焼き』という焼き物があったんですよ!(^ω^)」とのこと。。
「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」というお話でした!(^-^)v