
牧之原市の〝至宝〟で、毎年県内外から多くの観光客が訪れる市指定天然記念物『東光寺の長藤』を維持・管理する静波区仲町の長藤保存会の中西勝男会長(享年82)の葬儀が本日6日、市内の斎場でしめやかに営まれました。
涙雨の降り続く午前8時40分、火葬場に向かう途中の霊柩車とマイクロバスが、約50人のみなさんが待ち受ける藤棚の隣の駐車場に到着。中西さんと前日までに花房がすべて切り落され、新緑に覆われた長藤の大木との最期の別れを見守りました。
今年は1915年(大4)に当時の住職が、豊田村(現磐田市)の行興寺にある有名な『熊野(ゆや)の長藤』の1枝を持ち帰り、境内の山藤の木に接ぎ木してから110年です。
中西会長は、昨夏から20kgも痩せてしまった病身をおして、老木を丹念に世話して今年も見事な花を咲かせてくださいました。4月には、例年通り地元新聞社やテレビ局の取材に応じ…20m四方の藤棚いっぱいに咲き誇る長藤の魅力を解説してくれていました。
先月30日までの長藤まつりの成功を見届けて、肩の荷が下りたのでしょうか? にわかに体調が悪化して榛原病院に入院し、ご自身の82歳の誕生日だった今月2日、お亡くなりになりました。
肥料やりに農薬散布に枝の剪定。そして、花が散った後に無数に実る豆状の実の撤去など…藤の木の手入れには、サクラやツツジ等とは比較にならないほど、大変な手間と費用がかかります。旧榛原町時代には、町から最大で年間約25万円の補助金が、当時管理をしていた老人会に支払われていました。
しかし、20年後の現在では牧之原市の厳しい財政事情に加え…「寺の敷地が市有地(=公園)ではない」という理由で肥料や薬剤の現物支給だけ。静波区からの4万円や市民や協賛会社からの寄付金。そして祭りの期間に、保存会が境内で飲食物等を販売して得た利益で、諸経費を捻出しているのです。
長藤は毎年、様々なホームページや新聞・雑誌で紹介されます。4年前には『静岡県民だより』でも取り上げられるなど…地元民に愛され、全県全国から多くの観光客を呼び寄せて、わが市の経済や知名度&好感度アップに大貢献しています。
「藤を観に来てくれるお客さんをがっかりさせたくないんだよ。世話や管理はとっても大変だけど、みんなが『素晴らしいですね!』といって褒めてくれる。だから頑張れるんだよ」。
取材記者にもテレビのリポーターにも、名前だけは保存会メンバーのワタシにも…中西さんは、いつもそう話していました。
ボランティア人の鑑のような大黒柱を失ったこれからが、長藤にとっても保存会にとっても、大変ですが正念場です。みんなで知恵を出し合って、何とか新体制を確立させることが急務です。
ワタシも協力は惜しみません! ネラさんは、来年も売店で長藤おでんや饅頭を売りまくります!(笑) 牧之原市の観光課でも、枝の支柱や長藤会館の修繕など、できる範囲での支援を検討してくれているそうです。
勝男さん! ありがとうございました! 本当にお疲れさまでした! 心からご冥福をお祈りします。