
超党派の『静岡県議会浙江省友好交流団』(団長:落合慎悟議長、総勢18名)の省都杭州訪問2日目は、朝から超過密スケジュールでした。中国の悠久の歴史と文化を学ぶことができました。そして今日では、世界の最先端を行く科学技術が、すでに実用化されている現場を体感できました。
午前中は『杭州国家版本館(中国国家版本館杭州分館)』に、伺いました。中国政府が2022年7月までに、全国4都市に建設した中国古代から近代までの史料、出版物、印刷物の版本を収蔵・展示する〝本の博物館〟の杭州分館です。
図書館、博物館、展覧館、アーカイブ館、そして美術館といった各種機能を一体化。総建築面積は10万3100平方m、展示エリアの総面積は7000平方m、書籍や資料は累計100万冊(点)以上! という壮大なスケールの巨大施設でした。
古代の象形文字や甲骨文字から…デジタル化、IT化を究め、現在のネット上に氾濫する簡体字まで5段階に及ぶ漢字の歴史的変遷が、分かりやすく学べるほか…
この中国南部江南地方を発祥とし、奈良時代に日本に伝えられたお茶の歴史や効能、お茶に関するさまざまな文化や芸術作品が、最新CGを駆使した紹介映像に集約されていました!!!( ; ロ)゚ ゚
これで、杭州市民も中国各地からの観光客も『入場無料』だというのですから、さらにビックリ!! 中国政府の自国の歴史や文化に対するプライドとこだわり。それを国内外に誇示する気合の入れように驚きました!

午後には、杭州市に本社を置くヘリコプターによる〝低空バス事業〟を展開している『杭州高値通用航空』の運航状況を視察しました。
同社は、2024年12月から航空市内の観光地やビジネスビルなど5カ所に、最大6人の乗客が乗れる自社の4台のヘリコプター専用の〝バス停〟を設置!!!( ; ロ)゚ ゚
いわゆる観光遊覧飛行にとどまらず、観光地ー商業施設ーハイテク企業など、需要のある発着地を線で結び、しかも基本的には定時運航しているため『バス』として位置付けられているわけです。すでに1日平均300人の利用があるそうです!
蕭山区のリゾート地・湘湖のターミナルを見学し、そこから同社の丁CEOに誘われてヘリに乗り込み、飛んで行ってしまった落合団長(笑)を本当のバスで追い掛けて…約15km離れた、銭塘江沿いの近未来エリア『銭江新城ビル』の61階にある〝世界で一番地上から高い場所にあるバス停〟に伺いました。
車両では、通常30~45分のルートを5分で結ぶ空飛ぶバスの気になる運賃は…498元(約1万円)とかなり高価。しかし、路線増加と富裕層の旅行客やビジネス客による需要の高まりで、数年後には5分の1程度に下がる見込みだそうです。
大都会の上空を商用のヘリコプターが、毎日ガンガン飛び回っているという…ちょっと日本では考えられない近未来の世界ですが…
ヘリコプターやドローンを活用したいわゆる〝低空経済〟は、中国の国家戦略的新興企業として、全国の地方都市の経済成長の新たな原動力になりつつあるそうです。
絶大な権力を持つ政治家の即断即決と迅速な法整備や規制変更。そして「まずは、走りながら考える」姿勢が、良くも悪くも、中国経済の急成長を支えていることがはっきり分かりました。
杭州市には、現在、低空経済産業チェーン関連企業が400社近くもあり、物流輸送から農業植物保護、文化観光から都市通勤に至るまで、低空を利用したさまざまなビジネスが展開されています。
高値航空でも、EV(電気自動車)の軽トラとセットになった1人乗りの巨大ドローンを今年中に約300台購入。「浙江省における空のプラットホームを目指します!」と自らヘリの操縦桿を握る42歳の若き実業家の丁CEOが、誇らしげに話していました。