
静岡県議会産業委員会の九州視察研修の最終日は、鹿児島県霧島市の『有限会社西製茶工場』に伺いました!
同社では、25年前から無農薬、無化学肥料による有機栽培に取り組んでいて、その中でも特に生産が難しいとされる碾茶・抹茶の完全有機栽培に成功。今では契約農家の畑を含め約100ヘクタールの有機茶園で大量生産される茶葉から作られた抹茶が、海外で飛ぶように売れているそうです。
「化学肥料に頼らない生産方法や、微生物等を活用した病害虫対策のノウハウを確立したので、茶葉の収量はもう普通の茶園と変わりません。ウチは世界のどの国も基準もクリアして、輸出できる抹茶を1日4トン生産可能です。それが今、世界中でバンバン売れています。国内市場は見てません! 必要ないです」(西利実社長)
自信満々の社長の言葉の通り、10数年前から同社の抹茶は、欧州の超高級アイスクリーム会社に採用されて〝抹茶アイス〟が大ヒット。さらに、米国の最大手コーヒーチェーン店からも引き合いが来て…全世界での空前の〝抹茶入り飲料ブーム〟の火付け役となりました。
日本の抹茶に魅せられた海外からの旅行者も、コロナ禍後に激増。東京・表参道などにある国内4店舗の直営お茶カフェの売り上げは、今や年商10億円を突破。海外のフランチャイズ店も30店を数えるそうです。
「世界中で抹茶の奪い合いが起こっています。高品質で無農薬のお茶は、信じられない高値で売れます。日本の茶農家も問屋も『もう緑茶は売れん!』と嘆きますが、世界で売れる抹茶の作り方、売り方を知らないだけです」。西社長はこともなげに言い切りました。
静岡県は、昔も今も〝日本一のお茶処〟を自負していますが…今も国内流通額では55%のシェアなのに、海外輸出額は、わずか22%です。県では10年後の2035年度までに〝オール静岡〟に相応しいブランド名を構築した上で、有機栽培茶や碾茶・抹茶の生産を増大させ、輸出額のシェアを35%まで引き上げることを目標に掲げていますが…
「抹茶の輸出では、静岡は後進県になるわけだから、品質やブランディングは重要ですよ。ツユヒカリのような病害虫に強く、うまみが多くて渋みが少ない…抹茶に最適な品種をオーガニックで大量に育て、海外の厳格な規制値をクリアする抹茶を作るべきです。早くしないと中国が来ますよ」。先駆者の余裕を滲ませた西社長の貴重なアドバイスに、何度も大きくうなずきました。

視察を終え、霧島市から約40分の鹿児島空港からFDAに乗り、1時間ちょっとで富士山静岡空港に帰ってきました。到着から10分後には、荷物をゲットして駐車場のマイカーに乗り込み帰宅。日没前に自宅の風呂に浸かれる幸せを噛み締めました!!
脱衣所にある入浴剤『旅の宿』の箱から無造作に1袋をつまみ出して、湯船の前で開封しようとしたのですが…くしくも『霧島温泉』の小袋でした!(笑) ビックリしました!!( ゚Д゚)