空港振興と新駅同盟会の話
本日は、会派に対する県当局の『令和7年度予算提出状況説明会(政調ヒア)』でした。来年度の当初予算の見通しについての詳細を全12の部局&委員会から説明を受け、質疑を行う重要な会でした。
私は、この会議を仕切る政務調査会の副会長なので、あまり積極的には質問する気はなかったのですが…唯一、スポーツ文化観光部の予算の中にあった富士山静岡空港の『空港周辺地域振興関連事業費』について伺いました。
空港に隣接する牧之原市、島田市、吉田町の計34町内会に、空港設置への協力や騒音問題への代償として、県が1995年(平7)から通算29年間に渡って支給してきた『静岡空港隣接地域賑わい空間創生事業費補助金』が、ついに本年度(6億2670万円)で終了となることに際し…新たに地域振興のために創設するという事業の予算等の詳細が『精査中』となっていたことについて、目の色を変えて(笑)質問しました。
空港建設以前から、県が地元自治体に約束してきた周辺の道路整備や東海道新幹線の空港新駅など、空港周辺の賑わい作りに不可欠なインフラ整備が今も完了していない段階で「期限が来たから補助金は終了します!」では、地元県民は絶対に納得できない」し…
「川勝前知事が今年1月の坂部区民センターでの『知事広聴』で確約した事業と予算の継続が、鈴木知事に代わった途端に反故にされてしまったらたまらない!」と訴えて、これまで同様の予算確保を強く要望しました。
【5日の代表質問の記録⑥】
「7.東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会の活性化について」伺います。
静岡県の空の玄関口である静岡空港は、私の地元の牧之原市にターミナルビルがあり、島田市と共有する滑走路の直下には東海道新幹線が走っています。
この地理的な利便性から、1987年(昭62)に現在地に空港建設が決まるずっと以前から、新幹線新駅の建設が期待されてきました。
1997年(平9)の12月定例会において、新駅設置を求める自民会派の代表質問に、当時の石川知事は「ご指摘の通り、静岡空港に新幹線新駅を設置することにより、全国で初めて高速鉄道と空港が連携した高速交通ネットワークが形成され、空港利用客の増大や周辺地域の振興など相乗的な効果が期待できます」と答弁されています。
そして、その力強い言葉を裏付けるように、県は翌年に県、地元市町、民間経済団体らを中心とした「東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会」を設立し、JR東海等関係機関へ働き掛けを行うこととしたのです。
それから四半世紀が経過した現在でも、この「東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会」は存続しているわけですが、近年はリニア問題を巡る前知事とJRとの対立もあってか、目立った活動は見受けられません。
ちなみに、御承知のこととは思いますが、鈴木知事は5月の知事就任に伴い、この期成同盟会の会長に就任されています。
前述の石川知事の答弁を引き合いに出すまでもなく、空路移動の需要やインバウンドの激増、そしてリニア開通後のダイヤ編成の余裕が見込まれる近未来に向けた空港新駅の設置は、地元市町だけでなく、空港へのアクセスが飛躍的に向上する県内6駅の東海道新幹線駅周辺、ひいては全県、そして山梨などの隣県の経済や振興に多大な貢献をもたらすことになると確信しています。
県としても、リニア中央新幹線の開業を待つことなく、今こそ所期の目的達成のため、新駅の実現に向けて、関係自治体とともに、県民への周知や働きかけを再開し機運の醸成を図り、検討を深めていくべきではないでしょうか。
鈴木知事は、知事選では「空港新駅の実現」を熱く語られていましたし、就任直後の6月には、「静岡県単独ではなく、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会という大きな枠組みで東海道新幹線の利便性向上と新駅について応援をしていただけるということは、大変心強く思っている」とも発言されました。
しかし一方で、先の6月定例会の答弁では、「空港新駅については、長期的な課題と認識している」と、かなり慎重な方向に舵を切ったような姿勢もうかがえます。
繰り返しますが、新駅が設置されれば、東海道新幹線が持つ高速性が生かされ、静岡空港へのアクセスが劇的に向上するなどの大きな効果が期待できます。
今こそ知事が先頭に立って、静岡空港新駅のメリットを地元首長ら関係者が一堂に会する期成同盟会という大舞台で、改めて協議を重ね、意見を共有し、共通認識を持って実現に向けて具体的な活動を始めていく時期が来たと感じております。
そこで、リニア中央新幹線の開業を見据え、静岡空港新駅の実現に向け、知事自らが会長を務める「東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会」の活動をどのように活性化していくのか、知事の考えを伺います。
【都築スポーツ文化観光部長】
東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会の活性化についてお答えいたします。
東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会につきましては、空港新駅の設置に向け、県や関係市町ほか同盟会会員が一体となって活動してきたところです。これまでに、関係機関への要望を実施したほか、新駅設置効果の検証結果などの会員への情報提供や、啓発ポスターの作成、掲示などによる広報活動を行ってまいりました。
一方、現在、県によるリニア中央新幹線の整備と大井川の水資源や南アルプスの自然環境の保全との両立を図る取組が継続していることを背景に、会員間において、空港新駅に対して様々な考えがあるものと承知しております。
また、空港新駅の設置は、リニア中央新幹線の全線開業を見据えた、長期的な取組であることから、会員間で共通認識を持つことができるよう、丁寧に進めていく必要があると考えております。
このため、今後、期成同盟会といたしましては、リニア中央新幹線整備の進捗状況を踏まえ、会員の御意見を丁寧に聞きながら、会員間の足並みをそろえて、状況に応じた活動を行ってまいります。
【再質問】
新幹線新駅には会員間にさまざまな考えがあるという答弁でしたが、具体的にどのような声があるか、把握しているのかどうか教えてください。
また同盟会の今後の進め方については「会員の意見を丁寧に聞きながら足並みをそろえる」という答弁でしたが、期成同盟会を開催すということでよろしいのですね?
【都築スポーツ文化観光部長】
まず1点目の会員間の様々な意見についてでございますが、空港新駅に対しましては、1つは「早期に進めてもらいたい」という意見がございます。一方で、「慎重が必要です」といった意見もございまして、そういった意見がある
が、様々な意見があるというところでございます。
もう1点の会議の開催についてでございますが、期成同盟会自体は現在書面会議として開催させていただいておりますが、担当者会議ということで情報共有という形で会議を開催しています。今後、そういった状況もございますので、それらのもろもろのことも踏まえまして、リアルな会議開催についても検討してまいりたいと考えております。
【意見】
期成同盟会というのは、事業を推進するための会ではないのですか? 26年前の結成時から現在まで、会の規約には「静岡空港の近隣に東海道新幹線の新駅設置を促進することを図り、もって静岡空この機能充実を図り、県勢のより一層の発展に寄与すること」を目的に掲げている。
2000年8月には、同盟会は『静岡空港将来構想検討有識者懇談会』の提言を受け、空港新駅は「空港ターミナル直下駅が最適である」と議決。2010年には『国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会』のパブリックコメントにて新駅設置を要望するなど、積極的な活動を続けていたにもかかわらず…
リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事における川勝前知事とJR東海の対立と関係悪化に伴い、過去10年間は、静岡空港の片隅に「新幹線駅設置のメリット」を解説するポスターを掲示している以外、県民に対する機運醸成のPRや要望活動は全く行われていません!! 規約で定められている「年1回の総会」も開催されず、何もやっていないことを〝書面決済〟で承認しているだけ。肝心の会員メンバーも選挙や各団体の役職交代に合わせ、県庁の空港管理課内の事務局が、その都度名簿を修正しているだけなのです!
ただただ情けなく、残念でなりません!! でも、全てはここからです!(*^^)v