緊張と反省の代表質問
静岡県議会12月定例会で、初めて会派の41県議を代表して〝代表質問〟を行わせていただきました。
答弁時間を除く45分の持ち時間で、県政全般の諸課題について14項目・全16個にも及ぶ質問を、知事や関係部長、教育長、そして警察本部長に伺いました!
信じられないほど大勢の友人、知人、支援者のみなさまが傍聴に来てくださり、感激しました! 開会前の控室に来てくれた会派の同期9県議からの温かいエールも、うれしかったです!
反省すべき点は多々ありましたが…今の自分としては、全力を尽くしました。いわゆる袴田事件に関する質問は、夕方の各局のニュースで大きく報じられていました。
私の喜怒哀楽が散りばめられたそれぞれの質問と答弁の内容と、率直な感想と意見は…これからおいおい、ブログの方に書きますね! 量が多いので少しずつ(笑)
今夜は、一番反響があった『14.再審無罪判決を受けた今後の犯罪捜査の在り方について』からです。
再審無罪判決を受けた今後の犯罪捜査の在り方について伺います。
昭和41 年6月、旧清水市において発生した一家4人の強盗殺人事件について、本年9月26日、静岡地裁は再審判決で袴田巌さんに「無罪」を言い渡しました。これを受け、静岡地検は10月9日に控訴する権利を放棄し、袴田さんの無罪が正式に確定しました。
事件発生から実に58年。ようやく判決が確定した経緯から、報道各社は判決結果を大きく取り上げ、国内だけにとどまらず、海外でも大きく報じられました。
この厳しく重い判決に対し、捜査や逮捕時の当事者である県警察は真摯に向き合い、当時の経緯を明らかにしなければなりません。そして、県民への説明責任をしっかり果たすことこそが、県警に対する県民の信頼回復につながるのです。
この判決に関し、津田警察本部長は、10月9日に報道機関に対し、「可能な範囲で改めて事実確認を行い、今後の教訓とする事項があればしっかりと受け止め、より一層緻密かつ適正な捜査を推進する」というコメントを発表しました。
さらに10月21日には、本部長自ら浜松まで出向き、袴田さんに会い、直接「58年間の長きに渡り、言葉では言い尽くせないほどの御心労、御負担をお掛けし、申し訳ございませんでした」と陳謝されたことは、これまでと違った誠意ある対応だったと、私は高く評価いたします。
しかし、袴田さんを無罪とした静岡地裁の再審判決では、検察官による自白調書に加え、犯行時の着衣とされた衣類5点とズボンの端切れの3つの証拠は、いずれも「捜査機関による捏造」だったと断定されています。
そこで、こうした不名誉な事態を二度と起こすことのないよう、本部長のコメントの通り、無罪判決で厳しく指摘された内容をしっかりと検証し、警察組織全体の教訓とすべきと考えますが、県警察では具体的に、どのようにこの事件の事実確認を行い、今後の適正な捜査につなげていくのか伺います。
【津田警察本部長】
再審無罪判決を受けた今後の犯罪捜査の在り方についてお答えいたします。
御指摘のとおり、昭和41年6月に旧清水市内のみそ製造会社重役宅で発生した強盗殺人、放火事件に係る再審の裁判
において、本年9月26日、静岡地方裁判所で無罪判決が示され、その後、無罪が確定しておりますが、その判決において捜査機関による捜査に対して非常に厳しい指摘がなされたと承知しております。
治安責任を担う県警察としましては、判決で指摘された事項等について、可能な範囲で事実確認を行い、今後の教訓とすべき事項があればしっかりと受け止め、より一層緻密かつ適正な捜査を推進していくとの考えから、刑事部長以下約20人体制を構築の上、本年10月28日から、その開始や進捗等について逐次静岡県公安委員会へ報告しつつ、事実確認を進めているところであります。
事実確認に当たりましては、判決文の中で指摘され等について、本件捜査が行われた昭和41年当時の録等から捜査の経過や実態を確認するとともに、存命しておられる本件捜査に従事した元捜査員や本件被害者が経営していたみそ製造会社の元従業員等に聴き取りを行うなどしております。
本件発生から58年余りが経過し、当時と現在は捜査実務や捜査環境が大きく異なるところ、適正捜査につきましては、その後の無罪事件等を教訓として、制度や運用の改善を重ね、適正化に不断に取り組んできたところでありますが、今回の事実確認の中で、現在の捜査へ教訓とする事項があればしっかりと受け止め、より一層緻密かつ適正な捜査に活かしてまいりたいと考えております。
なお、現在行っている事実確認が終了した際には、その結果を公表したいと考えております。
以上であります。
【意見・要望】
津田本部長は57歳ということは、1967年生まれですかね? 少し上ですが、私も同世代です。
袴田さんはあなたが生まれる前から逮捕され、あなたが物心ついてから、今日までの人生の全期間にわたって〝死刑囚〟として過ごしてこられたのだという現実をしっかり受け止めて、しっかりとこの事件の再検証作業のリーダーシップを執っていただきたい。
そして、そのことは同時に、この事件で尊い命を奪われた4名の被害者の御霊と、長年苦しみ続けた御遺族に対する責務でもあるのです。
袴田巌さんの事件の詳細や釈放後の生活の様子などについては、マスコミの特集番組のYouTubeや映画等でも、県民誰もが目に触れることができる状況にあります。
これらの映像も題材の1つとするなどして、このような事例が今後二度と起こらないよう、捜査員個々に対する指導教育と適正捜査の徹底を、会派を代表して強く要望いたします。
【5日の代表質問】
【大石健司(59=自民改革会議)】
1 知事の政治姿勢について
(1)選挙公約の次期総合計画への反映
(2)令和7年度当初予算編成
(3)県政の組織体制
2 道路や河川の日常的な維持管理手法の効率化に向けた取組について
3 木造住宅耐震化事業の総仕上げの取組について
4 わたしの避難計画の活用について
5 消防団の活動支援について
6 リニア工事を契機としたユネスコエコパークの発展について
7 東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会の活性化について
8 本県産のお茶の新たな価値創出に向けた取組について
9 若者のUIターン就職の促進について
10 外国人が暮らしやすく活躍できる社会づくりの実現に向けた取組について
11 健康寿命の延伸に向けたフレイル対策について
12 プロスポーツチームとの連携による地域と経済の活性化について
13 子供たちの感性を育み可能性を伸ばすための教育について
14 再審無罪判決を受けた今後の犯罪捜査の在り方について
【沢田智文(55=ふじのくに県民クラブ)】
1 知事の政治姿勢について
(1)財政状況の認識と財政健全化の取組方針
(2)次期総合計画
ア 現行計画との違い
イ ウエルビーイングの視点を取り入れた施策の推進
2 「やさしい日本語」の普及促進に向けた取組について
3 LGX実現に向けたDX推進の課題について
4 県民の防災意識の向上に向けた取組について
5 木造住宅耐震化の今後の取組について
6 性の多様性に関する理解促進について
7 文化財の観光活用の推進について
8 新たな感染症発生への備えについて
9 県立農林環境専門職大学のこれまでの成果と今後の取組について
11 特定都市河川の指定による流域治水の推進について
12 働き方改革における労働委員会の役割と今後の取組について
13 企業局における工業用地造成の取組について
14 教育現場のグローバル化の推進について
15 教職員の長期療養者減少に向けた取組について
16 雑踏警備対策について