拳と祈り-袴田巖の生涯
9月に無罪判決を勝ち取った袴田巖さん(88)さんと、彼を支え続けた姉の秀子さん(91)の58年間の戦いを描いたドキュメンタリー映画『拳と祈り-袴田巖の生涯-』(こちら!!)を観に行って来ました! 独りで…。
12月5日(木)の県議会での代表質問で『再審無罪判決を受けた今後の犯罪捜査の在り方について』という質問をする前に「絶対に観ておかなければ…」という使命感を胸に、2時間45分の長編ドキュメンタリー映画を観ました。平日の午前10時15分からの上映だったこともあり、ワタシ以外の観客は、みんなシニア世代の男女14名だけでした。
1966年(昭41)6月に起こった味噌製造会社専務一家4人の殺人事件、いわゆる『袴田事件』については、一通りの知識を持っていると自負していたのですが…今までの自分の認識や理解が、どんなに薄っぺらくて情けないものだったかを、心の底から痛感しました。
苛酷を極めた長期間の拘留生活で、精神を病まれてしまった袴田さんが、10年前に再審請求が認めれられ、78歳で拘置所から出て以降の姿しか知らなかった私でしたが…
58年前、30歳で逮捕された当日、そして1日12~16時間にも及んだ取り調べの際に、怒気を込めて明確に犯行を否認する録音テープの肉声や、姉や支援者に送っていた無実を訴える大量の手紙の達筆さと文章表現の素晴らしさに…ハンマーで頭を殴られたようなショックを受けました。
工場勤めをしながらボクシングを始め、21歳で静岡国体に県代表として出場して団体3位になっていたり…上京してプロとなり、2年後にケガで引退するまで29戦16勝(1KO)10敗3分。1960年には、今でも〝日本記録〟として現存する『年間19戦出場』を果たしたり…
同年には、日刊スポーツ主催の新人大会に優勝していたり、日本フェザー級6位が最高位だったり…恥ずかしながら、知らなかったことばかりでした。
半世紀近くに及ぶ獄中からの無実の訴えが実り、2014年(平26)に死刑囚の立場のまま異例の釈放となって以降の姉と弟の浜松市での生活の様子などを中心に、二度と繰り返されてならない悲劇の実情が、静岡放送の報道記者だった笠井千晶監督(50)の密着取材・撮影で浮き彫りになる素晴らしい映画でした。
当初は、明日の28日(木)までの上映予定だったのですが…来週12月5日(木)まで、1週間の続映(=延長)になりました。そして、その間の上映開始は…なぜか13時からでした!!
ちなみに…その12月5日(木)のワタシの代表質問の終了予定時刻は正午ぐらいなので、そのまま徒歩圏内の静岡シネ・ギャラリーに向かえますよ!(*^^)v