静岡で死ぬと言えない知事
本日7日の静岡県議会12月定例会の一般質問で、元島田市長の桜井勝郎県議(79=無所属)が、水資源や環境への影響を巡って膠着しているリニア中央新幹線静岡工区の諸問題に関連した、興味深い質問を投げ掛けました。
静岡県の『地質構造・水資源専門部会』の部会長を務める静岡大の森下祐一客員教授が一昨年の2021年10月、JR東海に対し「自身が担当教員となる『大学寄付講座』の開設を持ち掛け、3年間で総額9152万円もの出資を求めていたが、JRに断られた」という今年9月の産経新聞の独自ニュースを紹介した上で…
「提案書を見れば、わざわざ大学で新たに研究しなければならないテーマはない」「JRが自発的に提案してきたならまだしも、県の専門部会の座長が自分が主任教授となるつもりで、JRに直接寄付を求めていたという事実を、どうして知事は問題視しなかったのか?」「県はこれまで、県費を使っての独自調査を否定してきただけに、この一件に知事が関与していたのではないか?」と矢継ぎ早に問い質しました。
川勝知事の答弁を注目していましたが…知事の代わりに高畑くらし・環境部長が立ち上がり…「知事は新聞報道で初めてこの件を知った」「県の専門部会での協議や対応には全く影響は与えていない」と、にべもなく答えたので、拍子抜けしました。
一方、本日の知事の発言で、ワタシが驚いたのは…午前中の盛月寿美県議(公明党)へのトンデモ答弁でした。
盛月県議の「安心して自分らしく暮らせる長寿社会の実現」という質問に、知事は「県といたしましては、県民のみなさまが、住み慣れた地域で最期まで自分らしく、安心して暮らせる長寿社会づくりに、市町や関係機関と連携して、全力で取り組んでまいります」と答弁したのですが…
この内容のない答弁に対しての盛月先生の再質問が、秀逸でした!!「知事ご自身は『最期まで暮らすのは静岡県』というふうに考えたことがありますか?」と尋ねたのです。
含み笑いをしながら立ち上がった知事の答弁の全文は、以下の通りでした。↓↓↓
「ワタクシの死に場所についての再質問についてお答えします。人生をいかに生きるかは、人生をいかに死ぬか…つまり、生き方と死に方は、表裏一体だと考えております。『人間到る処、青山あり』と言われますように、どこであろうと生涯現役のまま、生を全うすることができれば最高だというふうに思っておりまして…(死ぬ)場所については、文字通り『天のみぞ知る』ということでございます」
おいおいおい! そういうとこだよ! 川勝さん! 静岡県の政治家、しかも頂点にいる人なのだから…ここは、おかしな御託を並べずに、たとえウソでも…どうして「私は、静岡で死にたいです!」と言えないのでしょうか?
しかも『生涯現役』は、ちゃっかり宣言しているし(笑) ワタシには「現役の知事でいる間は静岡にいるけど、その後は知らないよ~!」という正直な本音の吐露に聞こえました!(/o\)
<川勝知事に鋭い質問を投げかけた盛月県議>
<7日の代表・一般質問>
【盛月寿美(56=公明党県議団)】
1 知事の政治姿勢について
o 安心して自分らしく暮らせる長寿社会の実現
2 令和6年度当初予算編成方針について
3 権限移譲事務の点検結果を踏まえた県の対応について
4 県営住宅における連帯保証人制度の見直しについて
5 高齢の障がい者に対する支援について
6 手話の普及促進について
7 児童虐待防止対策について
8 医療的ケア児への支援について
9 生物多様性の保全に向けた取組について
10 頻発するクマ出没への対策について
11 地域の文化力の向上について
12 経済状況を踏まえた中小企業支援について
13 清水港における駿河湾フェリー発着所の移転整備について
14 持続可能な学校給食に向けた取組について
15 インターネットバンキング不正送金被害の防止対策について
【桜井勝郎(79=無所属)】
1 知事の退職手当について
2 リニア中央新幹線整備における知事の行動について
(1)建設促進期成同盟会加入後の知事の行動
(2)県の専門部会長が寄附講座への資金提供をJR東海に要求したことへの県の
関与
【岩田徹也(47=自民改革会議)】
1 東部・伊豆半島地域の移住促進について
2 富士山静岡空港の国際線の利用促進の取組について
3 障害者支援について
(1)障害者雇用の推進
(2)小中学校における発達障害等の特性のある子供への支援の充実
4 農業用排水機場の遠隔監視制御及び浸水対策の取組について
5 伊豆中央道の料金徴収期限延長に伴う道路整備について