お盆に台風が静岡直撃?
非常に強い台風7号が日本の南海上をゆっくりと北上中です。14日から16日にかけて静岡県に接近し、上陸する可能性も高いということで…この先は、暴風や高波、高潮、土砂災害に厳重に警戒が必要となります。お気をつけください!
明日から週末にかけて予定されていた夏祭りや納涼祭、花火大会などが軒並み中止や延期と決まり、今日は1日、主催者や関係者のみなさまの無念の思いの詰まったSNSの投稿記事を眺めていました。
さて、このところのハードスケジュールで、ついついチェックが疎かになっていた川勝知事の〝川勝知事の定例記者会見ウォッチ〟ですが…「知事が、またいろいろ物議を醸しそうな発言をしているよ!!」というご連絡をいただき、8日の映像を確認しました。
た、確かに…私がずっと追いかけているリニア問題について、知事はこれまで以上に輪をかけてとてつもない論理の飛躍や「最高権力者、決定権者のアナタが、今になってそれを言う?」とツッコみたくなる〝今更論〟を延々と展開していて、開いた口がふさがりません!
川勝知事が本心では「計画上の発生土置き場を絶対に認めない!」と思っているのであれば…議場で「リニアは現行ルートでいい」とか、リニア建設促進期成同盟会の総会で「田代ダムの取水抑制と、燕(つばくろ)沢の盛り土360万立方mと藤島沢の要対策土10万立方mを合理的に解決すれば、何の支障もありません」と、他府県の知事の前で軽々しく断言したことの責任は極めて重大です。それは、嘘だから!
ただし一方で、現在全国的には話題となっている「自分のところに駅ができていないからといって反対するのはとんでもない話だ」という7月25日の中谷真一経済産業副大臣の発言の関連は、完全な事実誤認なので私はスルーします!(笑) この発言に食いついて「直接お目にかかって、事実と事情をご説明したい!」といきり立っている知事の言動もスルーします。私たちが問題視しているのは、まったくそこではないので…(+o+)
ということで、長い長い質疑応答の問答の中で、私が興味を持ち、重要だと思った部分だけ、いつものように書き起こして掲載します。私の「恣意的な編集だ!」とお疑いの方は、上の会見全体の映像をご覧ください!(*^^)v
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【記者】先日、リニア中央新幹線の、県の専門部会が開かれた際に、当県の有識者、県ではないですね、有識者の委員の先生から「ちょっとJR東海の盛土の場所の選定方法について、抜本的に見直すべきだ」という意見が上がりました。
これに関してはJR東海側の副部長が「ちょっと、いまさら無理ではないか?」という困惑する様子も見られたんですが、そもそも県の専門部会での議論がかなり長引いているという中で…たとえば県専門部会の進め方自体の見直しであったりですとか、あるいは県の委員の先生以外の、たとえば第三者的な意見を入れたり、何か進め方自体を見直すべきというような意見も上がっている中で、県専門部会自体のあり方について、今後のお考えなどありますでしょうか。
【知事】いいえ。よくやってくださってると思いますね。そして、的確な質問をですね、出されて、47項目にまとめたのも専門部会です。目下のところ、流量、全量戻しについてやっていると。そして、今、生態系に議論が入ってると。あまり環境省の関与がないのが不思議なぐらいです。
有識者会議でやってるわけですから。ですからそういうところで議論を促進することができますね。こちらが出した議論を有識者会議でやっていただいて、そしてそれを持って帰って来て、われわれ議論するというのが、専門部会と、それから有識者会議における役割分担になってるわけです。
それから、この盛土の置き場ですけれども、これについてはですね、もう一等最初、私が平成26年3月の「環境影響評価準備書」に関する知事意見の引用でございますが、土石流、発生土置き場につきまして、土石流、地すべり、深層崩壊等の大規模な土地異動なども想定し、生態系全体や景観への影響も考慮した調査を実施したうえで、従来の土地利用も見据え、関係機関と協議の上、対策を講ずることというふうに意見を述べているわけです。
その盛土の置き場ですけれども、燕(つばくろ)にですね、ついて、深層崩壊の可能性もあるという意見が、こないだの専門部会で出たということですね。それからもう1つは、対策土、ヒ素とか水銀とか、そういう自然由来のものが必ず出てきますが、それを藤島沢に置くということですけども、これはもう条例上、できません。
10kmも離れているところですから。出た現場で処理をするか、もしくはしかるべき処理施設で処理をするかという、そういう方法しか、目下のところはないのでですね、これをどうするんですかっていうことがですね、専門部会の、なんていいますか、範疇ではなくて、JR東海さんが答えるべきことなわけですね。
これはまだ本格的な議論が始まってませんけれども、専門部会が何か、その進捗を遅らせているっていうのはですね、非常に失礼だと。第三者でないかのごとき言い方するのも大変失礼だというふうに思います。第三者です。
【記者】今の意見でいうと、例えば今の委員の先生方が、基本的には生態系ですとか、あるいは、盛土に関して言うと地質学の先生方もいらっしゃるかと思うんですけれども、今、意見が出たような例えば、環境省の、有識者だったりですとか、今、国交省も管轄が鉄道局になってると思うんですが、建設局の担当者だったりですとか、国の有識者も交えた議論というのが進んでも、しかるべきなのかなと思うんですか、そのあたりに関してはどうですか?
【知事】もちろん、有識者会議が開かれる時にですね、専門部会で意見が反映されるように、委員の中から選んでいただいて、この委員の人たちは、国交省が、鉄道局がお決めになるわけですね。
そこで選んでいただいて、部会長であるとか生態系の方たちがですね、出て、そして意見を申し上げ、あるいはオブザーバーとして県も出ているということでありますので、先ほど申しましたように、生態系、環境に関わる意見で、環境省の存在が全く見えないというのは非常に不思議なことに思っております。
特に、リニアとの関わりで、環境大臣意見がありまして、南アルプスは、その当時はまだ、エコパークになってなかったわけですけれども、エコパークとの関わりで「これに対して重大な関心を持っている」と。「これをしっかり保全することは、観光行政の使命である」とまで、断じてらっしゃるわけですね。
それを今やってるわけです。2年後には、リニアの、2015年からちょうど10年目の2025年、2年後にですね、エコパークに係わる再審査があります。だからそこに、当然コミットされなきゃならないと思ってるんですね。
ですから、あなたの言われるようにですね、もうぜひ、〇〇新聞としましてはですね、「社を上げてこの有識者会議の中に、環境省がもっと専門家を入れて、ガンガンと議論してください」というふうに言っていただきたいぐらいです。期待します。
【記者】ありがとうございます。改めて、環境大臣意見を求めたりですとか、それに向けて、県から国側へのなんていうんすかね、調整などは、今されてないんですか?
【知事】していません。環境大臣意見は明快です。ですから、それを敬虔に服用してですね、現在の環境大臣閣下また、環境省の担当者がですね、それを踏まえて、その議論の中に加わっていただくと。どういうわけか生態系に関わる議論については、オブザーバーにとどまっておられると。
私はむしろ、これは鉄道局からですね、環境省所管にですね、移すべきではなかったかとさえ思っております。なぜかっていうと国交大臣意見と環境大臣意見両方出してるわけですから。今、生態系についてやってるわけですから。そう思いませんか?
【記者】そうだとは思うんですが…
【知事】そうなんですよ。
【記者】そうだとすれば「県から言ったほうがいいんじゃないのかな?」というふうには。
【知事】伝わってると思います。これ、今日言ってることもですね、似たようなこと前にも言ったかと思いますけれども、ぜひ記事にしていただいてですね、環境省所管に変えて欲しいと。あるいは両方でやっていただきたいと、ぐらいに持っております。
鉄道局長の、なんていいますか、存在感も極めて希薄ですね。何か変わったというふうに聞いておりますけれども、前の上原さんといったかな、上原さんでしたっけ。この方はほとんど発言しなかったでしょう。欠席もされたというふうに聞いております。今は何か、上に、偉くなられたみたいですけれども。
ですから今、彼は鉄道の専門家でなかったっていうこともはっきりしておりましたので、ですから、もう少し本腰を入れてですね、促進するために、有識者会議を活用していただきたいと思いますので、静岡県、ジャーナリストの方たちもですね、その点で御協力いただければ、大変ありがたいと思います。
【記者】ありがとうございます。
【幹事社】他いかがでしょうか? ◎◎さんお願いします。
【記者】◎◎の××です。大きく2点あるんですけども、まず1点目が、県議会のふじのくに県民クラブに所属していた、中山真珠議員が先週まで複数回にわたって無免許運転をしていたことが発覚しました。
会派から除名になりまして、自民改革会議も今日、辞職勧告決議案を出すことを決めましたけれども、中山県議のこの一連の行動について知事の今の受けとめをお願いいたします。
【知事】中山県議さんは、志の高い方ですね。非常に苦労されて、今の、お仕事をされているというふうに承知しております。それだけに今回のことは極めて残念であると思います。
しかし、法令に悖ることなさったのですね。本人も深く自覚し反省されてるということでありますけれども、今回の極めて軽率な行為をですね、深く反省されて、これを糧にしてですね、自分が本当にやりたい、困っている子供たちのためのですね、母子家庭やなんかで、こどもを念頭において彼女は仕事してると思いますけれども、そういう本来の仕事ができるようにですね、育っていっていただきたいと思っています。
【記者】あともう1点がリニアの、さっきも質問が出た発生土置き場の関係なんですけれども…先日の専門部会で、JR側と県側でツバクロの発生土置き場のリスクの認識にかなり違いがあったように見ていたんですけれども…
JR側は人命や財産をリスクの評価基準としていたということで、それでもシミュレーションなどもされてらっしゃったんですけれども、専門部会の委員からは、置き場自体の再選定を求めるような意見もありました。まずは、この議論がかみ合っていない状況について知事は今どう見ていらっしゃいますでしょうか?
【知事】生態系の意見をこれから本格的になされると思いますけれども、この発生土の自然環境への影響、悪影響のことですけれども、これはですね、これまでも、県としては、自然環境等への影響も含めて、JR東海さんが、計画されてる発生土置き場に対して、意見をしてきました。
今、本格的な議論が始まったばっかりですから、できる限り、認識の違いを乗り越えてですね、共通の土台で、議論ができるようにしていただきたいと思っております。
【記者】知事はこれまで、去年、田代ダムに行かれた時も、そのツバクロの置き場については深層崩壊の可能性があるというご発言もありましたけれども、現在の知事が考えていらっしゃるこの置き場でのリスクっていうのは何なんでしょうか?
【知事】それはもうすぐ上の方に上千枚岳があって、そこに今まで、分かってるだけでも複数回ですね、深層崩壊、要するに山体の崩壊があったと。それによって、あそこのいわゆるツバクロ沢っていうのがですねでき上がっていると。
そこに樹木が生えていないのはですね、そういう深層崩壊の後で、しかもそこは段丘状になってるのは、天然ダムのようなものが造られて、しかし上からどんどん水が流れてきますから、それがだんだん削っていって段丘状になっているということですね。
そういうことを前提にして、発生土置き場を考えられましたかっていう議論がですね、幾つかのところで出てるわけですね。ですから当然、それはあると。
それからもう一つ、国交省が、いわゆるこの、正確な名前忘れましたけれども、その危険なところをですね、4つぐらいの段階に分けまして、山体崩壊が、ま深層崩壊と言ったかもしれませんが、それが最も起こりやすいところ起こりにくいところということで、全国、全部マップを色分けしてるんですが、あそこの地域は、最も頻度の高いところに分類されてるわけです。
ですから、国交省としてもですね、ご関心を持ってらっしゃると思いますので、これからこのツバクロ沢が本当に適切かどうかということは、もう一度本格的にJR東海としては、それぞれの疑問に答えるという姿勢を持っていただきたいと思います。
【記者】つまり、「深層崩壊が起こる可能性がある」と、その先にはどういうリスクがあるんですかね?
【知事】そうすると大変ですよ。せき止められて、そして水の供給にも、また水質にも生態系にも甚大な影響出るんじゃないでしょうか。川がせき止められるわけですからね。それから濁りますし、ですから、非常に大きな影響があるというふうに見るべきでしょう。
【記者】JR東海が崩壊のシミュレーションの結果を今回示してるんですけれども、それを見ると、置き場の上部で、深層崩壊が発生してさらに100年に1度の洪水か起きた条件でも、椹島ですとかその下の人家に被害がないっていう結果を出してるんですけれども、これについても、懸念があるっていうことですか?
【知事】その想定は深層崩壊ではないんですね。一定の上部のところで一定の量が崩壊した場合に大丈夫だと、まあ100年1回とおっしゃってますけど。この明石山脈というのはご案内の通りですね、なぜ赤いのかっていうと、あれは多色頁岩というか、色、色素を持ったプランクトンが、死骸の色なわけですね。
ですから、もともとは、それこそ、赤道直下にあった火山の爆発で、プランクトンが生まれて、それがどんどんフィリピン海プレートのこの北上によって運ばれてきてどんどん積み上がって、つまり付加されてですね、あの高さに至ってるわけです。ですからどんどんどんどんとですねこれ下から押し上げられているわけですね。
ですからそういうものが、この崩壊するというのは地質学者の、言ってみれば常識だと、例えば、静岡県で海洋研究所の所長をされている平朝彦先生はその方面の、つまり南海トラフがなぜできたのかと、どうして日本列島ができたのか、なかんずく四万十帯というですね、グーッとカーブして、この、駿河湾から中央構造帯に沿う形でですね、フォッサマグナに沿う形で左側に四万十帯ってのがあるわけですけど、それはどうしてできたのかということを研究されておりまして、そういう地質学者的な観点から見るとですね、シミュレーションが十分でないというふうに見えますね。
ですから本格的に議論していただかなくちゃいけないと。山体崩壊といってもですね、いろいろありますけれども、例えば畑薙に行かれたことありますか? 畑薙ダムからですね、ずっと20キロくらい上がって初めて工事現場に行くわけです。その途中に藤島沢だとかツバクロ沢があります。
ほとんどのところはもうV字型の峡谷でありますから、物を置く場所はありません。畑薙ダムを渡って、そこから許可を持って、登録してから、大井川上流の左岸をですね、上っていって、途中で畑薙ダム、畑薙橋を渡るわけです。
で、右岸に出るわけです。右岸から今度、対岸を見るとですね、なぜその左岸をずっといけないかというのがわかります。
赤崩っていうのでですね、それが途中から水が噴き出して、どんどん山体が崩壊してるわけです。そういうのが現場の姿です。だから畑薙のダムはですね、かつてはその畑薙のダムから、畑薙橋から2m以下のところ水を十分に湛えていたと。今はですね畑薙橋の、もう30センチ近いところまで土砂で埋まってます。流木がですね、そこら辺に、どのぐらいかも数えきれないぐらい放置されてますよ。
そういうのもですね、大規模なものが起こるということでありますから、だから現場を見ればですね、ある程度わかると思いますので、素人でもですね、少し勉強していけばですね、これはなかなか危ないとかってことがわかると思います。
【記者】それくらい危険な場所だったのならば、その平成26年の環境影響評価の準備書の知事意見の中とかでも、その再選定ですとか、そういうことを盛り込んでもよかったのではないかと思うんですけど、なぜ今このタイミングでそういうお話を?
【知事】もちろん発生土置き場につきましては「深層崩壊等の大規模な土地移動なども想定してください」と明言しております。
【記者】再選定とはまた違いますよね?
【知事】何ですか?
【記者】それは「また改めて選定をし直すように」ということとは違いますよね。
【知事】どうしたらいいかをですね、考えなくてはなりません。そして今は、この問題につきまして、静岡県とJR東海だけじゃなくて、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会におきまして、この問題を「共有する」と。
つまり期成同盟会の決議事項の第1に、2回にわたって、今回の6月でしたか、それから昨年もそうだったと思いましたけれども、静岡工区、つまり南アルプスの「自然環境の保全と水資源の保全と、これとリニアを両立させる」というふうに言っております。
したがって、これはですね、今やあの、建設期成同盟会含めて関係者全体の関心事でありますので、こうした関心事が、JR東海がすべきことは、これを踏まえて安心していただけるようにすることですね。
どういうふうにすれば解決できるのか。藤島沢は、基本的にですね、条例でもうあそこは不適地であるということでありますのでね。10万立米を置くっていってますけど、これはですね、置けないということです。認められません。
どうして解決したらいいか、今、知恵をみなさんに求めているところです。