
今日は、朝から静岡県議会の『令和5年度ふれあい親子県議会教室』に参加しました。昨年に引き続き、2年連続の大役でした。
県内各地から、お父さんやお母さんと一緒にやって来た小学4~6年生の32人が…「みかん」「お茶」「いちご」「メロン」「ガーベラ」「バラ」という静岡県を代表する農産物の名前の付けられたグループに分かれ、議場や控室の探検、そして県議への生質問を通じて、県議会の仕組みや役割を学ぶ、面白くて有意義な人気企画です。
私は、メロン組を担当しました。「県議会議員になるためには、何か資格が必要ですか?」とか「県議会議員の1日の仕事の流れを教えてください」とか「政治家として一番気を付けていることは何ですか?」などなど…。鋭い質問が続出して、ちょっと冷や汗も出る場面もありましたが(笑)…とても楽しかったです!
みなさんなら、どう答えますか?(;^ω^)
静岡県庁で開催中された『静岡県中央新幹線環境保全連絡会議 第15回地質構造・水資源部会専門部会』をWEB傍聴しました。スタートから50分経過した時点での視聴者は、65人でした。
JR東海が、従来から静岡県が問題視し、大雨などの災害時の危険性を指摘してきたリニア新幹線のトンネル工事による発生土の置場の位置や対応、その安全性について、延々と解説していました。
会議資料はこちらです→「リニア中央新幹線整備工事に伴う環境への影響に関する対応」(こちら!!)
最初は、会議の内容を要約しようと思ったのですが…ここまでのJRの説明はほとんどすべて、前回までに県が指摘し、質問書としても提出した「もしも…」「もしも、もしも…」の大災害や複合的な非常事態を仮定した質問へのシミュレーションの解説だったので…「なんだかなあ~」と感じてしまい、やる気が失せました。
代わりに、私が6月29日の一般質問で取り上げた「1 リニア中央新幹線整備への県の対応について 」のうち…「③青崩峠トンネル工事に対する対応との違い」についての質疑と、不可思議な答弁の全文をご紹介します。
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【質問】青崩峠トンネル工事に対する対応との違いについて伺います。5月26日、三遠南信自動車道の「青崩峠トンネル」4998mが貫通しました。
国内最大の断層「中央構造線」がすぐ近くを走っているため、地盤が非常にもろく、地下水位も高いため大量の出水も続き「史上最難関のトンネル工事」と呼ばれていた超難工事でしたが…
世界に冠たる我が国の最先端土木技術により、掘削工事着工から4年を掛けて、ついに貫通しました。ちなみに、リニアトンネルの静岡工区の長さは8.9km。工期は10カ月と、JRは発表しています。
ところで、天竜川にほど近いこのトンネルの両出入り口の標高は、静岡県(浜松市)側が682m、長野県(飯田市)側が592mであり、海に近い静岡県側の方が90mも高いのです。
静岡県は、首尾一貫してリニア中央新幹線の工事におけるトンネル湧水の県外流出と環境への影響を徹底的に問題視しています。しかしながら、この三遠南信自動車道の青崩峠トンネルの工事においては、どうだったのでしょうか。
本工事着工前に県内部分で、先進ボーリングを許した理由はなぜですか。工事中のトンネル湧水量を事前に把握していたのですか。本工事中のトンネル湧水量は国交省からしっかりと報告を受けていたのでしょうか。
私には、リニア中央新幹線工事と青崩峠トンネルの工事の湧水の県外流出の構図は同じに見えます。知事は今月13日の定例会見で突如「これからは『静岡の水』『山梨の水』という議論はしない」と言い出しましたが、これまでは「命の水は一滴たりとも譲らない」「静岡県から山梨県に流れた地下水は全量返せ」と主張していましたね。
天竜川の水は命の水ではないのですか。長野県に流れた水は返してもらったのですか。明らかなダブルスタンダードではないですか。
また、青崩峠トンネルの工事による大量の発生土は、どこに運び、どこに積んだのでしょうか。土質は工事前に科学的に確認、分析し、有害物質を含む要対策土についても協議や調査は行ったのでしょうか。お答えください。
【くらし・環境部長答弁】リニア中央新幹線整備への県の対応についてのうち、青崩峠トンネル工事に対する対応との違いについてお答えいたします。
リニア中央新幹線南アルプストンネルは、大井川の下を横切り、県内区間は全てトンネルとなります。トンネル湧水は、県外にあるトンネル坑口から大井川水系の外に流出し、大井川の流量等に影響を及ぼすおそれがあります。
三遠南信自動車道の青崩峠トンネルは、長野県との県境から約600m静岡県寄りの地点をピークに両県のトンネル坑口に向かって下り坂となります。トンネル湧水は両方のトンネル坑口から排水され、静岡県側では天竜川支流の翁川に、長野県側では天竜川支流の小嵐川に流れます。流出先はいずれも天竜川水系の河川であり、水系の外への流出はありません。
青崩峠道路の環境影響評価手続の中では、県内4カ所での縦方向のボーリング調査により、地下水位や地質についての調査が行われ、地下水への影響について、評価・考察がなされており、トンネル湧水量の調査や先進ボーリングの検討はされておりません。
トンネル掘削土は、両県の工区で合わせて約79万立方メートル発生し、うち約6万立方メートルについて、本坑の掘削前に実施した調査坑の削孔時の結果から、ヒ素の基準超過が確認されました。この要対策土は、平成27年に事業主体と長野県による協議の上、長野県内の国道152号小嵐バイパスの一部区間内に運ばれ、適切な措置の下、道路構造物の盛土材として活用されています。
また、これ以外の発生土につきましては、約3万立方メートルは静岡県側で、約70万立方メートルは長野県側で、道路構造物の盛土材などに活用されております。
以上であります。
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「長野県との県境から約600m静岡県寄りの地点をピークに、両県のトンネル坑口に向かって下り坂となります」というのなら、ピークの先の〝静岡の水〟は長野に流れていたわけです。そして…「静岡県側では天竜川支流の翁川に、長野県側では天竜川支流の小嵐川に流れます。流出先はいずれも天竜川水系の河川であり、水系の外への流出はありません」との答弁でしたが…
翁川と小嵐川はトンネルの上の山の峰の反対側を流れる別の支流で、両川が合流するのはトンネルから十数kmも下流です。それでいいのなら、リニア工事で山梨に流れる水も、最後は富士川に合流して、静岡県に戻って駿河湾に注ぐのですよ。
私には「南アルプスのトンネル工事だけは特別なんだよ!」と主張しているだけのようにしか思えません。
静岡県って…攻めている時の質問の内容と、守る時の答弁の態度や姿勢が、全然違いますよねえ?