
ワタシは昨日の一般質問の3番目に、大まかに言うと「リニアのトンネルより、三遠南信自動車道の青崩峠トンネルの方が、はるかに難工事だったのに知らんぷりでしたよね? 地下水はジャンジャン長野県側に流れてたでしょ? 要対策土はどうしたの?」と質問しました。
くらし環境部長の答弁は以下の通りでした。(全文です)↓↓↓↓
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リニア中央新幹線整備への県の対応についてのうち、青崩峠トンネル工事に対する対応との違いについてお答えいたします。
リニア中央新幹線南アルプストンネルは、大井川の下を横切り、県内区間は全てトンネルとなります。トンネル湧水は、県外にあるトンネル坑口から大井川水系の外に流出し、大井川の流量等に影響を及ぼすおそれがあります。
三遠南信自動車道の青崩峠トンネルは、長野県との県境から約600m静岡県寄りの地点をピークに両県のトンネル坑口に向かって下り坂となります。トンネル湧水は両方のトンネル坑口から排水され、静岡県側では天竜川支流の翁川に、長野県側では天竜川支流の小嵐川に流れます。流出先はいずれも天竜川水系の河川であり、水系の外への流出はありません。
青崩峠道路の環境影響評価手続の中は、県内4カ所での縦方向のボーリング調査により、地下水位や地質についての調査が行われ、地下水への影響について、評価・考察がなされており、トンネル湧水量の調査や先進ボーリングの検討はされておりません。
トンネル掘削土は、両県の工区で合わせて約79万立方メートル発生し、うち約6万立方メートルについて、本坑の掘削前に実施した調査坑の削孔時の結果から、砒素の基準超過が確認されました。
この要対策土は、平成27年に事業主体と長野県による協議の上、長野県内の国道152号小嵐バイパスの一部区間内に運ばれ、適切な措置の下、道路構造物の盛土材として活用されています。
また、これ以外の発生土につきましては、約3万立方メートルは静岡県側で、約70万立方メートルは長野県側で、道路構造物の盛土材などに活用されております。
以上であります」
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実に冷静で淡々とした答弁でしたし、リニア工事では、JR や国交省に着工前の厳格な調査や対策を要求しているのに、こっちの方は事後報告だし、完全に他人事みたいな内容でしたが…
本日、よく冷静に検証し、調べ直してみたら…詭弁とはぐらかしばっかりでした!!
①長野県の県境から約600m静岡県寄りの地点をピークに両県のトンネル坑口に向かって下り坂となります。トンネル湧水は両方のトンネル坑口から排水される。
…はあ? じゃあダメでしょう? 少なくとも600mの範囲の静岡の水は、長野に流れて行くのです。
②静岡県側では天竜川支流の翁川に、長野県側では天竜川支流の小嵐川に流れます。いずれも天竜川水系の河川であり、水系の外への流出はありません。
…同じ水系だから大丈夫? 5km以上も上流の違う支流ですよ!!
③トンネル湧水量の調査や先進ボーリングの検討はされておりません。
…水平方向への先進ボーリングより、10倍以上大きな調査坑を本坑の近くに掘って、調査していました!(笑) しかも、当初からの計画に入っていたので、県の許可は不要でした。
国交省の飯田国道事務所は、2017年に「青崩峠トンネル調査坑工事における施工について」という報告書を作成し、ホームページ(こちら!!)に掲載しています。
④(工事で有毒なヒ素が出たけど…)適切な措置の下、道路構造物の盛土材として活用されています。
…なんだその説明は? 場所も言わない。「適切な措置」の中身も答えない。リニアの会議で、JR がこんなふざけた発言をしたら、静岡県は激怒するよね?
⑤これ以外の発生土につきましては、約3万立方メートルは静岡県側で、約70万立方メートルは長野県側で、道路構造物の盛土材などに活用されております。
…結局、どっちも「道路構造物の盛土材に活用」されてるやん! 電話で取材したとろ…「要対策土の周囲を発生土で囲んで、硬く固めて道路の土台に使ってます。外部には流出しません」とのことでした。
三遠南信自動車道のトンネル工事の基準が緩いのではありません。。これが、日本の公共土木工事の基準であり施工法なのです。
リニア工事にだけ、大井川流域全体の水や環境にとんでもない問題が起こるかのように吹聴し、特別に厳格で高いハードルを一方的に定めて、事態を何年も膠着化させている静岡県の責任は重大です。
◆6月30日の一般質問◆
【望月香世子(43=自民改革会議)】
1 水災害に関する防災・減災対策について
(1)わたしの避難計画の効果的普及
(2)巴川流域の治水対策強化
2 農山漁村地域の持続可能性について
3 社会情勢の変化に対応した消費者被害の防止について
4 誰ひとり取り残さない福祉の仕組みづくりについて
5 清水港カーボンニュートラルポートの形成に向けた取組について
【沢田智文(54=ふじのくに県民クラブ】
1 労働力の確保について
2 磐田市内の治水対策について
3 子供の居場所づくりについて
4 観音山少年自然の家の教育的価値について
5 高校生の自転車事故防止対策について
6 水道管の管理におけるデジタル技術の活用について
【曳田卓(69=ふじのくに県民クラブ)】
1 東アジア文化都市開催を契機とした海外との交流の拡大について
2 サイクルツーリズムの推進について
3 AOI-PARCの取組の成果について
4 新興・再興感染症対策業務におけるICTの活用について
5 ひとり親家庭に対する支援について
6 中小企業者のコロナ関連融資の返済支援について
【加畑毅(52=自民改革会議)】
1 観光需要の回復に向けた観光デジタル情報プラットフォームの利活用について
2 賀茂地域の活性化に向けた取組について
(1)地域特性を活かした移住・定住の促進
(2)特定地域づくり事業協同組合を活用した担い手の確保
3 伊豆地域における磯焼け対策について
4 賀茂地域における河川・港湾・漁港のしゅんせつについて
5 賀茂地域における農業基盤整備について
6 伊豆地域における有料道路事業について
