なぜ、川勝知事と闘うのか?
一昨日に、夏休みの読書感想文代わりにご紹介した『知事失格』(小林一哉著、飛鳥新社刊=税込1500円)というタイトルの川勝知事知事〝糾弾本〟についての論評が、大きな反響を呼んでいます。局地的ですが…(笑)
一般的にですが、今の日本でそれなりの立場と知名度がある人は、世論を二分するような賛否の分かれる問題については、どちらかに与するような断定的な意見や主張を避ける…というか、口を挟まずに黙ってしまう傾向があります。
もちろん私もそういうところがあって、今日本中のマスコミが大騒ぎしている旧統一教会絡みの諸問題などはその典型です。しかし、それは私が県議会議員になりたての1期生なので、今の政治家と同教団との関係や癒着の実態について、報道されていること以外の知識も情報も、まったく持ち合わせていないからです。
ただし、強烈な体験や警戒心は持っています。私が早稲田大学に入学したのは、1984年(昭59)ですが…田舎町から上京したばかりのうぶで(笑)世間知らずの18歳は、校内を物珍しそうに歩いているだけで…いろんなサークルや研究会の先輩学生から、ひっきりなしに声を掛けられました。
高3の秋の国体予選まで剣道を続け…坊主頭がやっとスポーツ刈りになったばかりだった体育会系で、宗教や芸術や異性に対する基礎知識も免疫もなかった私には、きれいな女子大生が真っ先に声を掛けてくる中核派などの学生運動団体と、真逆に位置する原理研究会(=統一教会系)の両方に捕まって、サークル室に連れて行かれてしまいました。
報道されている通り、どちらも最初は思想や宗教の話など一切なく…「一緒に、テニスや合コンや英会話や世界情勢の勉強をしましょう!」というような軟らかくて(笑)楽しそうなお誘いでした。。しかし、ワタシは彼らの優しい笑顔の奥に潜む巨大な力と異様な空気に、大きな違和感を感じました。「これはおかしい! オレがこんなにモテるはずがない!」「この人たちは何が目的なんだ??」と。。
結局、2度とそっち系のサークルには顔を出すことなく、私は剣道の経験も生きるかと〝氷上の格闘技〟アイスホッケーのサークルに入りました!!(笑) 大学でも体育会系を貫いてしまったことに、当時は少し後悔もしましたが…今にして思えば、とてもよかったです!(*^^)v
閑話休題!(笑)
リニア中央新幹線の静岡工区のトンネル工事を巡る川勝知事の数々の「嘘」や「詭弁」、そして「不都合な真実」を今月発売されたばかりの新著で丁寧に論理的に解説している元静岡新聞記者の小林一哉氏が3年前に上梓した『なぜ、川勝知事は闘うのか?』(静岡旅行記者協会刊=税抜1000円)を改めて読んでみました。
一昨日も軽く指摘しましたが…なんと鮮やかで見事な〝宗旨替え〟!! 著作権に配慮して、本日は1ページ目の「巻頭言」だけを掲載しますが…とにかく、この超ベテラン記者は当時、川勝知事の勇ましい態度、自信に満ちあふれ、説得力抜群の言動に感激し、知事を崇拝し、無邪気なまでに大絶賛し、支持&応援していたことがよくわかりました。
この3年前の小林氏の真摯な姿こそ、今も川勝知事の主張に全面的に賛同し「大井川の命の水を守れ! 環境を守れ!」と同調する多くの無垢な静岡県民そのものです。この本に書かれている切実な内容は、今も知事や県の幹部が「深刻だ」「重要だ」と繰り返している諸課題なのですから。
では、なぜ著者の小林氏は、プロのジャーナリストとしてはちょっと信じられない…かつての自分自身を完全否定する知事批判本を書いたのでしょうか? その答えは、すべて新著に書いてあります。
今も知事を支援する方々…というか、リニア反対派のみなさんは、突如敵陣に寝返った小林氏を「私怨から掌返しをしているおかしな人」と断罪し…『知事失格』には、完全無視を決め込んでいるようです。。
しかし、私は2つの本を熟読して、小林氏の心変わりの真相、そして知事や県に対する怒りの理由や根拠も良く理解できました。そのくらい資料的価値のある傑作です。