
「防災」と「景観」の重要性と相反性…。
いつも厳粛な思いと責任感を胸に登庁している静岡県議会(県庁本館)前の歩道にあったケヤキの大木2本が、管理する静岡市の防災対策として伐採されてしまいました。
6月議会の開会日の一昨日、事情説明の貼り紙に気付き、記念に撮影しておいたのですが…今朝には、もうご覧の通り、推定樹齢50~70年の幹周285cmと180cmの切株だけになっていました。
お昼休みに、担当の静岡市の葵南道路整備課に電話して、今回の経緯と真意を伺いました。静岡市では、地震や風水害時の街路樹の倒木を防ぐため、昨年度に初めて、専門家である「樹木医」による診断を実施したのだそうです。
その結果、葵区内の幹線道路沿いに90本の「不健康な大木」を認定。今年度から順次、伐採を始めたのだそうです。ちなみに県庁周辺は、今回の2本だけですが、駿府城公園周りの内堀でも複数本、伐採の対象になっているそうです。
災害時に通行車両や歩行者に危険が及ぶような事態は、絶対に避けなければいけませんから、今回の対応は、致し方なかったと思います。
ただ一方で、昭和12年(1937)に竣工し、国指定の「登録有形文化財」にも選ばれている県庁本館の目の前に、5本しかなかった雄大な街路樹の向かって右側が1本だけになってしまったことは、歴史的景観の維持、保存の観点からは残念に思います。
その点だけ、担当者に質問したところ「おっしゃる通り、われわれもこれから先の対応が大切だと考えております。近年では、あの程度のスペースを確保しての街路樹の植樹は行わないのが主流ですが、景観の観点から最善の策を検討していきます」と丁寧に回答していただきました。
しかしながら…現状は、当該の2本のケヤキの根が、道路の下に広大に広がっており、一部はお堀の石垣にまで達しているだけに、早急の効果的な対処は、なかなか難しそうです。

本日から静岡県議会6月定例会の代表&一般質問が始まりました。
トップバッターとして壇上に立った自民改革会議の市川秀之県議(55=浜松市浜北区)が、リニア新幹線工事を巡りJR東海が提案したトンネル工事中に湧出する地下水の県外流出対策として「大井川上流の田代ダムで東京電力が取水している発電用の水量を抑えて、同じ量を大井川に還元する」という案について川勝知事に問い質すと…
「(県の主張する)全量戻しにはならないが、重要なのは流量に影響を与えないことなので、JR東海の提案を退ける必要はない」と答弁しました。ちょっと何を言いたいのかわかりませんし…「今になってそれですか?」とも思いました。私の真意は、いつもこのブログをご覧になってくださるみなさまには伝わると信じています。
◆16日の代表質問◆
【市川秀之(55=自民改革会議)】
1 知事の政治姿勢について
○リニア中央新幹線工事の水問題
2 熱海市伊豆山地区土石流災害を教訓とした対応について
(1)盛土対策の強化
(2)行政対応に関する知事の認識
3 デジタル田園都市国家構想の具現化に向けた取組について
4 多文化共生施策の充実について
5 中小企業の脱炭素化支援について
6 脱炭素社会の実現に向けた取組と静岡県のエネルギー政策について
(1)再生可能エネルギーの開発
(2)浜岡原子力発電所の再稼働
7 観光産業の復活について
8 遠州灘海浜公園(篠原地区)野球場の整備について
9 津波災害警戒区域の指定について
10 今後の教育行政の推進について
(1)教育長の所信
(2)教職員の不祥事の根絶
11 県警察による経済安全保障への取組について
【佐野愛子(66=ふじのくに県民クラブ)】
1 教育行政について
(1)新教育長の所信
(2)県立高校の生徒の自主性を育む教育
(3)魅力ある学校づくり
2 リニア中央新幹線静岡工区に関するJR東海との対話について
対する相談支援体制の充実
3 新型コロナウイルス感染症対策について
(1)これまでの感染症対策の効果とウイズコロナでの今後の対応
(2)高齢者福祉施設等における対策
(3)コロナの影響を受けた人々への支え
(4)後遺症対策
4 地方財政制度の課題について
5 サーキュラーエコノミーについて
6 農業の振興について
(1)食料自給力を上げるための取組
(2)茶業の再生
7 誰一人取り残さない社会の実現について
(1)人生の多様化を踏まえた女性支援策
(2)SNSに起因する被害から子どもを守るための取組
(3)孤独・孤立対策
8 地域外交の在り方について
9 ICOIプロジェクトの取組について
10 津波対策静岡方式における防潮堤整備について
11 熱海土石流災害から得られた教訓について