第9回生物多様性部会専門部会
静岡県の中央新幹線環境保全連絡会議による『第9回生物多様性部会専門部会』の傍聴のため、県庁に行きました。今回から新たに専門家の委員が3名増員され、9名体制で5カ月ぶりの開催となりました。
リニア中央新幹線のトンネル建設工事における大井川水系の水資源の確保と自然環境の保全等について、これまでの専門部会で出た疑問点や質問に対し、JR東海の担当者から対応策等説明等の後、活発な意見交換が行われました。
コロナ対応のまん延防止等重点措置が解除されたためか、昨今のトレンドのリモート傍聴がなく…会場の県庁特別会議室には事業者、県や流域市町の関係者、そして報道陣が詰め掛けて…大変な〝密〟でした!(笑)
リニアトンネル工事では、掘削によって大井川最上流の沢の水が減ることと同時に、南アルプスに生息する動植物への影響が懸念されています。
前回までの委員からの意見や要望を受け、本日はJR東海が、流量の減少が予測される沢ごとに作成した〝沢カルテ〟を公開しました。沢カルテには、今後環境保全のためにそれぞれの沢に必要な措置や調査・計測の内容が記載されていくということです。
また、トンネル工事で湧き出た水を止めるための「薬液注入」の具体策が示されるなど、これまで以上にJR東海が真摯に詳細に、具体的な解決策を提示していたように感じました。リニア問題対応の県の責任者である難波副知事も「今までのような、ごまかすというか都合の悪いことを削除するようなことがなくて、たとえば薬液注入のところでも『効かないかもしれない』とはっきり書いている。そういった面で(JR東海に)かなり問題に正面から向き合っている姿勢が出てきた」と好評価をしていました。
JR東海の担当者も「一般的に想定される環境や動植物への影響については、これまでご指摘いただいた内容に沿って対応を考えました。実際には(本工事の前段階である)先進ボーリングを行うまでは、具体的にどれだけの水量が低下するのか正確に予測することは難しいのですが、これからもできる限りしっかりと現地調査と計算を行い、データを取る中できっちりと考えていきたいと思います」と話していました。