近くて遠い牧之原
年明けから、旧片浜小を改装した宿泊施設『遊んで泊まれる学校カタショー(⇒こちら!!)』に泊まりに来ている東京の農業大学の20歳の男女2人の学生さんを牧之原市の有名な観光地を案内しました。先月のフットサル大会で知り合った際の「牧之原が大好きになりました」「お正月にまた来ます!」という言葉を本当に守ってくれたことがうれしかったからです。
これって凄くないですか? 都会の若者が、新しい年の正月2日から5日まで、昨秋まで縁もゆかりもなかった「牧之原市で過ごしたい!!」と言って、本当に来てくれたのです!!
1人ドタキャンが出たので、カップルのように見えますが、恋人同士ではなく同じ大学の同級生だそうです。牧之原市の景色や農業や、人々の優しさに魅了され…彼女は3回目、彼は2回目の来牧です。変な意味ではまったくなくて…若い大学生の思考や活動は昔も今も楽しくて、スリリングです。父親世代のワタシ1人では、話題についていけないことを恐れて(笑)…帰省中の長男悠司も連れていきました。
15時からのスタートだったので…静波のウエーブプールを皮切りに、自由の女神、静岡空港、子生れ石まで行ったところで日が暮れてしまいましたが…牧之原市に対しては何の事前知識もなかった2人は、行く先々で目を輝かせて大興奮。とても喜んでくれました。
「え?? 変じゃない?? 牧之原市が気に入ったから再訪したんでしょ??」と思ったアナタの疑問に答えましょう!(笑)
専門の大学で、生産から流通、そして販売までの農業の基礎や技術やシステムや経営術を学んでいる彼らにとっては、温暖な気候に恵まれ、お茶を筆頭に、お米やミカンやイチゴやメロン、トマトやレタス、トウモロコシなどの特上な農作物が栽培されているこの静岡県の榛南地域は、とてつもなく魅力的な土地なんです。。本当に…。
私たちがいつも声高に宣伝している大自然の景観や歴史ある史跡や祭り、そして海水浴場やプールや空港は、観光客や交流人口の拡大には、もちろん大切な要素ですが…彼らのように農産物の魅力だけに惚れ込んで、何度も視察や体感のために泊りがけで訪れてくれる若者もいるのです!!
「卒業までまた何度もきます」「最新のスマート農業を学びたいです」「できればここで起業したい」「使われていない畑とかを貸してくださる農家さんはいますか?」などなど…自分の息子より若い21世紀生まれの若者から、こんなありがたく、うれしい言葉や質問をもらえるとは思ってもいませんでした。
明日はもう1人の同級生も駆け付けて、イチゴ農家で採果と箱詰めの実習をするそうです。
常に楽観的な私でも、最近かなり不安視し始めていた日本と地域の将来に明るい希望を感じました。これからも、彼らのような志と意欲を持った市外県外の人々を1人でもこの地に呼び寄せるため、全力を尽くします。
一方、コスタリカから帰国&隔離生活3日目を迎えた次男晃司は…埼玉県内の施設から、連日貴重な情報を発信してくれています。
大学校の寮内の自室で、1日中誰とも顔も合わせない軟禁生活を強いられているのにもかかわらず…「毎日自分で体温と現在地を報告しなければならないし、ランダムの時間にビデオ通話が掛かってきて、GPSと背景を確認される」そうです。「無人の録音音声の時が多いけど、たまにはコールセンターからも来て、ちゃんと受け答えをしなければならない」そうです。
米国経由で帰国した彼の場合、この施設内で6日間、2回目の陰性確認後の解放から8日間の計14日間は、このアプリによって、国にずっと居場所を把握されることになります。過去の失敗を教訓に、国も大変なお金と手間をかけて、水際対策に取り組んでいるんだという意気込みは伝わります。
しかし、だからこそ…そうであるならば…余計に昨日指摘したような〝画竜点睛を欠く〟最終対応が残念だし、もったいないと思ってしまいます。
今の晃司にとっては、牧之原は近くて遠い故郷です。