リニアとコロナと田沼の時代
リニア中央新幹線南アルプストンネル工事を巡る国土交通省の『第13回有識者会議』を、今回もリモート傍聴しました。
本日は、これまで1年8カ月に及んだ会議で議論されてきた「大井川の水資源に関する中間報告」を取りまとめるため、全委員によって10月の前回会議で修正を要請された部分の確認と、最終的な文言の表現の調整が行われました。
さまざまな意見を持つ有識者の先生方が、それぞれの立場で「合意に至った」と納得・了解する文章表現を模索し、公表しても…「リニアトンネル工事に断固反対している人たちにとっては、ほとんど意味のない修正作業だな…」と思いました。
それでも、国土交通省鉄道局の上原局長は「JR東海に対して、科学的・工学的な指導を行うために十分な、多角的な見地から高い専門性、重層性を備えた報告になった」と満足そうでした。
リニア工事に関する政府や自民党県連の考え方については、昨夜牧之原市で開催された自民党の牧之原市榛原支部の総会で、地元選出の井林代議士からかなり詳細で丁寧な説明がありましたが…個人的には、違和感を覚える部分がありました。
川勝知事は、この12月定例会でも「私は今もリニア推進派」と明言し「JR東海がこちらが懸念している水資源と環境に関する課題をクリアし、流域住民の理解を得れば、建設に反対はしない」と改めて強調しましたが…
果たして知事は、この中間報告をどのように評価するでしょうか?
一連の極めて不適切な発言とその後の二転三転の言動で、改めて証明されたように…川勝知事の状況によって煽情的に豹変し、本音を吐露してから、後で自分の都合のいいように強引に理屈をこじつける性格を憂慮せざるを得ません。
午後からは、江戸時代中期の幕府老中にして、我らが遠州相良藩主・田沼意次侯の『銅像建立記念講演』が、牧之原市相良総合センター「い~ら」で開催されました。
「逆説の日本史」「学校では教えてくれない授業」等で著名な歴史研究家でノンフィクション作家にして、私の大学の学部の大先輩でもある井沢元彦氏(67)による『悲劇の先覚者 田沼意次』という講演を拝聴しました。
18世紀半ばの幕府の財政難を建て直すべく、先進的な経済政策を採用し、商人からの課税で目覚ましい成果を挙げた〝田沼時代〟を築きながら、江戸時代の「3大改革」(享保・寛政・天保)とは、今も明確に区別され、歴史家に批判され、意次本人も〝賄賂政治家〟と冷遇されてきた真相を、氏独自の鋭い視点と傍証、そして説得力抜群の語り口で、ご教授いただきました。
江戸時代に意次が徹底的に非難されたのは、徳川家康が武士の習いとして推奨した儒教の宗派でもっとも厳格な朱子学が、極端な規律や先祖や主君への崇拝や服従を強制する一方で「商業を忌み嫌い、商人や金儲けを蔑む学問だったからだ」という井沢氏の斬新な持論に、目から鱗が落ちました。
講演終了後は、我がまちの稀代の名君の汚名を晴らそうと、杉本市長が壇上に上がり「田沼意次侯の大河ドラマ誘致」を高らかに宣言。これには井沢氏も「全面的にご協力いたします」と大河ドラマの原作になる「書き下ろし小説」の執筆を、笑顔で約束してくださいました!(笑)
今朝、目覚めると…ダラス空港のカフェからLINEが届いていました! 隔世の感。。彼にとっては、物心ついてから初めての米国ですが…スペイン語が通じる国なのでww 何の苦労もない様子でした。
「お疲れさま!」のスタンプを送ったら、すぐにLINE電話も来ました。便利な時代です。「あれだけ苦労して取ったワクチンパスポートも陰性証明書も、入管で全くチェックされなかったよ!」と笑っていました!
というわけで、すんなりと飛行機を乗り換えて、成田出発から19時間後に無事コスタリカに到着しました。