抗体カクテル療法を推進だ
静岡県内で本日2日、新たに429人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。静岡市91人、浜松市43人、焼津市34人、藤枝市31人と続きますが…8月下旬のピーク時から全体的に減少傾向が見られます。吉田町では5人(濃厚接触の成人3、未成年1。経路不明の成人1)。牧之原市では約3週間ぶりに0でした。
それでも、直近1週間の「人口10万人あたりの新規感染者数」は、牧之原市は静岡県で5番目に多い152.9人と、けっしてまだ安心できる状況ではありません!(吉田町は90.5人)
これからも最大級の警戒感と、徹底した感染防止対策の遂行をお願いいたします。
さて、私はこの数日間、榛南地域ではない県内の某自治体の施設で発生したクラスター関連で、県の担当の健康福祉部と、何回も激しく密接に重要なやり取りを繰り広げておりました。その施設の隣接した病院に医師や看護師が常勤していることから…7月に国から特例承認された「『抗体カクテル療法』をウチの施設でも開始したいが可能でしょうか?」という知り合いの方からの深刻なご相談でした。
「抗体カクテル療法」とは、人工的に作った2種類の抗体を患者に投与し、ウイルスの増殖を防ぐもので、海外の臨床試験では「入院または死亡のリスクを70~80%も低下させる」と報告されています。日本でも、軽症や中等症の患者を対象に薬の投与が始まっていて、菅総理も最近の記者会見では「重症化リスクを減らす画期的な薬だ!」語気を強めて力説する画期的な治療薬との期待されています。
静岡県でも、すでにコロナ患者を受け入れている病院や、県がホテル等を借り上げて設置した「宿泊療養施設」では、この抗体カクテル療法を実施しているので…先方も私も「当然、大丈夫だろう?」と思っていたわけですが…県からの最初の回答は、なんと「NO!」でした。
その理由は…①抗原カクテル療法は「基本的にワクチンを接種していない人たち」を対象に実施している。
②建物の構造上や使用方法で、感染者を完全に隔離ができない施設では、認めていない。現状では、すでにコロナ対応している病院に移ってもらうしかない。
③「宿泊療養施設」とは、県がホテルを借り上げて設置した施設と定義しているので、現状では他の既存の施設を同等と見なすことはできない!
…でした。一言でいうと…あんまりです!! なので相談者と協議の上、再び次のように要請しました。
①抗体カクテル療法の「適正使用ガイド」のどこにも「ワクチン未接種の人だけが対象」だという記述はない。「ワクチン接種済みの人は除く」という除外規定もない。
②コロナ患者を治療するような病院への転院は、保健所から無理だと言われている。すなわち、現場で治療するしかない。
③ホテル療養で出来るような処置は当該施設では可能であり、医師も24時間勤務している。ホテル療養にどこが劣っているのか?
④患者さんを一刻も早く、周りの病院や医院、訪問診療で治療しなくては、悪化して亡くなる人や治っても後遺症に苦しむ人が増えてしまう。国に任せていてばかりではいけない。静岡県としての策を打ってほしい!
それでも、これに対する県の回答は、簡潔にまとめると…「ロナプリーブ(抗体カクテル)は、国が管理しているため、示された条件に従って行うほかないと考えている。本県への配分など、国への要望は続けるが、流通量が増えていかないと難しい」でした。
しかし!! 実はこの時点で、当該施設の担当者は、国から依頼されて抗体カクテルを製造&出荷している国内の製薬メーカーの登録センターに、発注を申し込んであったのです。なので、正攻法の質問に対して県がゴニョゴニョ言っている間に、急を要していた6名分の薬が届きました。
翌日、施設の状況と事態を重く見たFICT(ふじのくに感染症専門医協働チーム)の担当者2名が、当該施設を訪問。「全国的に需要がひっ迫して品薄なのに、よく入荷できましたね!」と驚いていたそうです。施設の担当者が「患者さんの情報を入れて申し込んだだけです。その中には、ワクチンの接種歴を入力する項目はなかったですよ」と答えると…「ワクチン接種済みの場合のメリット、デメリットが不透明ですが、重症化しそうだったりして医師が必要だと判断すれば、ロナプリーブ使用はダメではない」と言う説明がありました。
というわけで、なし崩し的にではありましたが(笑)結果的に、当該施設での抗体カクテル療法の開始は、県に認められる雲行きになりました。。メデタシ! メデタシ!
「これが県議会議員の本来の仕事か?」と聞かれると、胸を張って「そうです!」と言い切る自信はありませんが(笑)…私は、こういう官民の間に入っての折衝に、とてもやり甲斐を覚えますし、双方の考えや言い分を聞きながら、問題解決に導くことができると、この上ない喜びを感じます。