後世に語り継ぐレジェンド
お盆休み中の土曜日でしたが、県内で3日連続の300人超え、土曜日としては過去最多となる318人の感染者が判明したコロナ禍と連日の全国的な大雨で、今年は公のイベントや集まりは何もなく終日、自宅や周辺で市民のみなさんからの行政相談&要望への対応と、昨日の剣道でかなり傷んでいる全身のケアに努めました。
10日の文化観光委員会での私の質疑の内容を翌日にご紹介すると宣言していましたが…諸般の事情でずっと先送りになっていました。遅ればせながら少しだけ説明します。
県内のスポーツと文化芸能、そして観光を所管する文化観光委員会での私の初めての質問の項目は、以下の通りでした。
<大規模国際大会のレガシー創出に向けた取組>
・2019年ラグビーワールドカップ静岡開催の成功体験を後世に継承し、W杯レガシーの積極活用とラグビー文化の伝搬を推進する「ラグビー聖地化」の活動の進捗状況。
<スポーツ振興の主な取組>
・自転車、卓球、ソフトボール、フェンシング、体操等、東京五輪で本県に縁の深い競技や選手の活躍が見られたが…今後、県としては特段のサポートはないのか。
<2020オリンピック・パラリンピック自転車競技開催に向けた取組>
・今回の五輪の室内競技で唯一、有観客で実施された伊豆ベロドームでのトラック競技の運営の内容や成果、入客数等について。
<次期「自転車活用推進計画」の改定>
・今年5月の太平洋岸自転車道のナショナルサイクルルート指定を受け、和歌山の職員や民間のサイクリストが「太平洋岸自転車道をつなごうプロジェクト」を作り、お盆期間に1487m走破中。静岡県は今後、こういう企画を考えているか。
<開催当日に中止となった『グランシップ音楽の広場2021』>
・中止の判断の根拠とその後の対応等について
<県内観光促進事業の推進>
・コロナ第5波の感染爆発よる「まん延防止等重点措置」の本県初適用を受けた、秋以降の再編等
<駿河湾フェリーの運行状況等>
・ 駿河湾フェリーの利用促進について(先の一般質問の答弁を受けて…)
この中で、一番重要視して質疑したのは…「大規模国際大会のレガシー創出に向けた取組」についてでした。静岡県は、エコパで開催された一昨年のラグビーW杯で日本代表が強豪アイルランドに撃破した試合を〝シズオカショック〟と命名し、その偉業を後世に伝える銅像建立やラグビーグラウンドの整備、そして県ラグビー協会への様々な支援等を矢継ぎ早に打ち出して、県内のラグビー文化の醸成と競技人口増加を目指していると力説しています。
元ラグビー担当記者の私としては、それはそれで大変うれしく、ありがたいことなのですが…実際それによって県民のラグビー熱が上がったとか、高校ラグビーの競技人口が増えた、レベルが上がったという話は聞きません。静岡県ではサッカー、野球、バスケットボールといった一部のメジャースポーツに若年層から選手が集中しています。
しかし、優秀な選手は多くの有力チームに分散してしまい熾烈な競争を勝ち抜いた代表校が、全国の舞台ではなかなか結果を残せません。
野球もサッカーもバスケもラグビーも…ほとんどすべてのスポーツが強い福岡県が「個人の身体能力から各スポーツへの特性を見いだし、能力を活かせる競技への扉を開く、先進的な取り組み」として平成16年から小学5年生から中学3年生を対象に行われている「福岡県タレント発掘事業」のように…
県が率先してスポーツ好きな子どもたちを才能に見合った競技に誘導し、県民に様々なスポーツに興味や関心を持ってもらい、その象徴、その成果として〝スポーツ強県〟を目指してはどうか? と問いかけました。
また県内で行われたW杯ラグビー1試合の金星を〝レガシー(遺産)〟として後世に残すというのであれば…伊豆市のベロドロームで開催された先の東京五輪の自転車トラック競技の女子オムニアムで銀メダルに輝いた梶原悠未(ゆうみ)さん(24=筑波大大学院)をもっと称えるべきではないか? とも伺いました。
今回のベロドロームでの自転車競技は、コロナ禍の中で開催された東京五輪の全33競技で唯一、『室内有観客』で実施された競技です。梶原さんは、一般の観客の声援を中でメダルを勝ち取ったたった1人の日本人メダリストです。埼玉県の出身ですが、五輪での活躍を夢見て2年前にお母さまと伊豆の国市に移住。母子で1LDKのアパートに暮らし、日夜血のにじむような努力を積み重ねた末の快挙です。
身長155㎝。金と銅の欧州の選手より20㎝以上も小さい体のハンデをものともせず、頑張りました。最終のポイントレースでは途中に落車しながら、破れたジャージのままで復帰。自転車競技で、日本女子として初のメダル獲得を成し遂げました。
静岡県で行われた東京オリンピック唯一の競技の、大会最終日の劇的なメダル獲得!! 今や彼女はレジェンド(伝説)です。この栄光の詳細こそ、後世にまでレガシーとして語り継ぐべきだと、私は強く思っています。
8月に入ってから、なかなか行けなかったお墓参りにも行きました。今の私があるのは、すべて両親とご先祖様のお陰だということを…年を重ねるごとに強く実感しています。