
5月1日の牧之原市の竜巻被害に関して、杉本市長、中野議長、大井副議長、そして担当部課長に同行して、川勝知事と県議会の正副議長、県庁4部の部長・幹部に緊急要望を行いました。
その内容は以下の通りです。
【1】災害廃棄物の処理について
牧之原市が実施する災害廃棄物の処理事業を、国庫補助事業「災害等廃棄物処理事業費補助金」の対象にするための予算確保、早期採択や特別交付税の特例的な増額配分などに係る国への要望に対する支援
【2】被災者に対する生活支援について
県の「被災者自立支援生活再建支援制度」の基礎支援金及び、加算支援金の対象にならない被災者世帯区分への支援金の適用(中規模半壊への基礎支援金、半壊以下の区分に対しても支援金の対象とすること)
【3】農業用施設被害などへの支援について
①農業用ハウスの再建などの支援
自然体で1.2億円規模の被害があった農業用ハウスの部材撤去や再建、修繕及び被災を機としたハウスの補強などへの支援
②農業用施設に対する補助制度の創設
補助災害事業に該当しない農業用施設(防霜ファンなど)の復旧を円滑に進めるための補助事業の創設
③農作物への補償
竜巻等により損害を受けた農業施設で栽培されていた農作物、飛来物の被害により収穫できなかった農作物(刈り捨てたお茶の生葉)及び、停電により被害を受けた農作物(製茶加工できずに廃棄した生葉)に対する補償などの支援。
知事からは、国庫補助金の対象外となる事業について、県費での支援も含め前向きな回答をいただきました。特に、国の制度では対象にならない小規模災害に対応し、国とまったく同じスキームと補償金額が設定されている②の「被災者自立支援生活再建支援制度」について、現状では支援対象にならない「半壊以下」の家屋に対しても、県独自のなんらかの補助が検討されることになりそうです。

要望書提出後の懇談の場で、私から知事に以下の2点を要望させていただきました。
①竜巻に耐え抜いた牧之原のお茶〝龍マキノハラ茶(仮称)〟を、県として全国に大々的にPRすること。併せて「お茶に含まれるカテキンがコロナウイルスの感染予防に効果がある」という研究結果を1日も早く、県として発信すること。
②今回、局地的な被害ということで、県が早々に「適用できない」と自主判断した被災者支援のためにある『災害救助法(第4条)』の国への適用申請を再検討すること。
上の写真は2年前の台風19号の際に、国が災害救助法適用を認めた14都県の一覧表です。今回の牧之原市よりはるかに被害が軽微だった自治体を含む東日本の302市区町村が、国からの支援を受けたのにもかかわらず…
全国屈指の被害を受けた静岡県は…まさかまさかの最下位。函南町と伊豆の国市の2自治体の分しか、県が国に申請していなかったのです。
私は連休明けの県との個人的な要望・折衝を受けて…11日のブログで「今回の竜巻は、被災地の被害は甚大でも、極めて局地的だったため『被災者(避難者)の数』が法令の規定に満たないという理由で…『災害救助法』も『国の被災者自立再建支援制度』も適用外になっています」と書きました。
しかし、その後で災害時の被災者支援を専門とする弁護士さんやNPO関係者から「そんなことはないですよ! 国の法令を額面通りに厳格に解釈・適応して、被災者救済の門戸を狭めているのは静岡県だけですよ」という衝撃的な指摘を受けました。そして、さまざまなルートを駆使して情報を収集してみると、本当にその通りだったのです。
近年の自然災害の増加に伴い、災害救助法の規定する対象にならない被災者を少しでも支援するためにと、国は条文内の数字や条件を緩めて(=目をつぶり)都道府県からの申請があれば、災害救助法第4号を積極的を積極的に承認するような被災者目線での運用をしているのです。実際、内閣府から各都道府県にそのような通達も出ていました。
だから…2年前での台風19号では、他の13都県は軽微な被災だった自治体もすべて申請して適用されていたのに、静岡県だけは、まったく独自に法令通りの解釈で、国からの支援を受ける努力を放棄してきたというわけです。
海山川の大自然に囲まれた風光明媚な静岡県は、逆から観れば日本有数の〝災害多発県〟です。周辺の他の都県より、被災した県民に冷たいのなら…誰も静岡県に住みたいなんて思わなくなるでしょう。
40年以上前から東海大地震の備えを始め、全国から〝防災先進県〟として賞賛されてきたことに慢心して? 近年は防潮堤や津波避難タワーなどのハード面の整備は進んでいますが…肝心の被災者に寄り添う、全力で助けるというソフトの面が欠けてきてはいないでしょうか?
特に国との連携、国への要請や要望を行う熱意やパワーの欠如は、看過できないレベルです。。
私は、こういった点こそ、来月の知事選の争点にしていただきたいと思っています。