
牧之原市波津のミルキーウェイスクエア内に完成した待望の市立図書交流館『いこっと』の開館式に、ご招待いただきました!!(^^♪
民間のホームセンター跡地をフル活用した官民連携の新時代の〝図書館〟で、総事業費は1億7215万円(うち、国の地方創生拠点整備交付金約6000万円)。床面積815㎡で、スタート時の蔵書は4万冊です。
愛称は、公募による811件の候補の中から、勝間田小5年生の村松咲和さんが「気軽に〝行こっ〟と思える場所に…」という願いを込めて考えた『いこっと』が選ばれました。
広い館内はには仕切りはなく、資料・情報エリア、児童エリア、交流・談話エリア、学習室、そして読み聞かせコーナーを誰もが自由に訪れることができます。
オープンスペースや学習室には80席が常設され、パソコン用の電源やフリーWi-Fiも完備。図書検索機を活用して、希望する本を探して借りることができるだけではなく、若者や子育て世代はもちろん、すべての地域住民が、思い思いに利用できる文化的交流の拠点となることが期待されています。
すべての関係者のみなさまのご尽力、ご協力に、地域の代表として、心からの敬意と感謝の言葉を申し上げました。

午後からは、東京・霞が関の国土交通省で開催されている『第11回 リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議』のリモート傍聴のため、静岡県庁に行きました。
本日の議事は…①大井川水資源利用への影響の回避・低減に向けた取組みについて ②今後の進め方 …でした。具体的には、前回3月22日の第10回会議での議論を踏まえ、トンネル掘削に伴う水資源利用へのリスクと対応や、現在想定されている突発湧水量の考え方について、JR東海による修正内容の説明を受け、内容が精査されました。
また、3月31日に静岡県が有識者会議に提出した「『リニア中央新幹線静岡工区有識者会議』における今後の議論に関する意見等への対応について」という文書を踏まえ…「トンネル掘削による地下水低下と河川流量への影響」や「地質調査状況」「長野県経付近における断層の想定」「トンネルの掘り方」。そして、「渇水期における成分分析結果」等についても説明を受け、その内容を委員全員で吟味、確認しました。
いつにも増して、分厚い資料に沿ったJR東海の説明の中に、今回から一部委員からの要請を受けて「冬場の渇水期における大井川中下流域の地下水の成分分析結果」という地図と解説が加えられ、私の地元である牧之原市と吉田町の3地点の井戸と3河川の源流部付近の湧水の成分調査の内容が、詳しく記載されていました。
「リニア工事の影響によって、下流域の牧之原市と吉田町の地下水は減少してしまうのか?」ということは、私の地元にとって大きな関心事ですので、JRの資料をそのまま書き写します(※一部は要約、省略)
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〇成分分析の概要(渇水期調査)
・測定地点は、表のとおり、豊水期調査と同様に、大井川各流域における河川、井戸において実施しました。
・豊水期調査において、下流域の観測井14カ所のうち、吉田町の井戸(井戸5、井戸6)や牧之原市の井戸(井戸7)では、他の井戸とは異なる水質組成を示し、滞留時間も比較的長い結果となったことから、これらの井戸の近傍を流れる河川(湯日川、坂口谷川、勝間田川)の源流部付近の湧水を調査地点として追加しました。
〇成分分析の結果概要及び考察(渇水期調査)
ア. 全体
・地下水については、全体的には書く文責項目とも、豊水期調査と同様な傾向が確認されました。
・一方、河川水においては、全体的に豊水期と比べて、溶存イオンの総濃度が高くなるなどの総意が見られましたが、一般的に観られる季節変動の範囲と考えられます。また、河川1(大井川・富士見橋付近)では、硫酸イオン(SO42-)の濃度が相対的に高くなっており、この局所的な相違は人為的な影響と考えられます。
・また、今回追加して実施した上流域(椹島以北)の深井戸(井戸17)の炭素14(C14)の分析の結果、地下水の滞留時間は、約4万年以上と推定され、下流域の地下水の主要な涵養源として直接供給している可能性がより低いことを改めて示唆する結果となりました。
イ. 吉田町と牧之原市
・今回追加した湯日川、坂口谷川、勝間田川の源流部付近の湧水(湧水7~9)は、それぞれ平均的な涵養標高が約300m(牧之原台地の北端部の標高と同じ)と推定され、窒素イオン(NO3-)や硫酸イオン(SO42-)の濃度が相対的に高い特徴が確認されました。これは、このあたりの牧之原台地では、茶畑等が多くあり、施肥等による人為的な影響が要因として考えられます。
・井戸7(牧之原市)については、これらの湧水と近い涵養標高や水質組成を示したことから。牧之原台地の北端部付近に振った雨が主要な涵養源の1つになっていることが考えられます。
・一方、井戸5と6(吉田町)については、他の下流域の井戸やこれらの湧水とも異なる性質を示し、豊水期調査と同様、平均的な涵養標高は約700m、滞留時間は約45年と推定され、カルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)の濃度が低く、ナトリウムイオン(Na+)や炭酸水素イオン(Hco3-)の濃度が、相対的に高い特徴が確認されました。
・涵養標高や滞留時間の分析結果を踏まえますと、他の下流期の井戸と同様に、上流域(椹島以北)の地下水から直接供給されている水が主要な涵養源となっているわけではないと考えられます。また、井戸5、井戸6の上流に位置する井戸1~4を含め、下流域の各井戸は、全体的に同様な特徴が確認されている中、井戸5,井戸6のみ異なる特徴が確認されていることを踏まえますと、地質条件など局所的な要因が関係しているものと考えられます。
・以上の豊水期、渇水期において実施した科学的な成分分析の結果を総合的にまとめると、第6回有識者会議で報告のとおり…
『大井川下流域の地下水は、大井川上流域(椹島以北)の地下水によって直接供給されているわけではなく、大井川上流域、中流域からの河川水と、大井川下流域における降水が主な涵養源となっていることが考えられます』
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私が、わざわざこんなにわかりにくい学術的文書の一部を、イオンの日本名などを調べて付け加えた以外、ほぼそのまま書き写したかというと…この有識者会議では、当然理系の地質学、河川工学、地盤工学などの専門家の先生方が、それくらい細かくて、難解な項目の内容を議論しているということをお伝えしたかったからです。
よく、この問題に関心を持つ県民のみなさまから「有識者会議の様子や議事録を完全公開して!!」「(会議後に話合いの概略を取りまとめた)座長コメントは廃止して!!」というご意見ご要望が出ますが…私は、それには反対です。全部を公開しても、これまでの会議の詳細や流れをしっかりとフォローし、毎回出てくる資料をすべて熟読していなければ、理解するのはとても大変だからです。
ともかく、長々と写した文章の結論を簡単にまとめると…「中下流域の地下水に関しては、リニア工事の影響で減ることはないだろう」ということです。
なお、もっとも肝心の大井川の表流水そのものに関しても、前回まで会議の内容を事務局がまとめた『大井川水資源問題に関する中間報告(案)』では…
・トンネル掘削に伴うトンネル湧水量と河川流量の構造的な関係から、トンネル湧水の全量を導水路トンネル等で大井川へ戻せば、上流側の河川流量は減少するが、下流側の中下流域での河川流量は維持される。
・また、現時点で想定されているトンネル湧水量であれば、導水路トンネル及びポンプアップにより、トンネル掘削完了後には、トンネル湧水量の全量を大井川に戻すことが可能となる設備計画となっている。
…と、かなり断定的に書かれていました。