リニア工事現場周辺を初視察
静岡県が主催した川勝知事の「リニア中央新幹線建設予定地視察」に同行してきました。昨年の台風や今月の豪雨で、現在は各所で寸断されてしまった南アルプストンネル工事の各ヤード(作業基地)に通じる林道東俣線の視察でした。
昨日の昼、熊本県人吉市の相良神社で雨宿りをしていた時に、くらし環境部の担当者から「急遽、決まったんですが、先生も行かれますか? お弁当代だけ1000円かかりますけど…」と電話があったのです。
私は、6月議会の委員会質問で、JR東海&国土交通省との間で泥沼化する『ヤード整備(事前準備)工事』の着工問題について…「これまでの経緯と静岡県の立場を、丁寧にわかりやすく、県民にも在京マスコミにも伝えてください」「静岡県がどんどん悪者になってきてますよ」と厳しく意見した張本人なので…「マスコミが16社来ます。テレビは5社です」と言われたら、行かないわけにはまいりません!(笑)
もちろん、この視察自体が、明日22日に東京で予定されている自由民主党政務調査会の『超電導リニア鉄道に関する特別委員会』へのWEB出席を前にした川勝知事の在京マスコミと国民に向けた渾身の〝大パフォーマンス〟だということは十二分に理解した上で、参加させていただきました。
なぜならば、私はこれまで、リニアトンネル掘削が予定されている静岡市の市街地から約80㌔の現地には、一度も言ったことがなかったからです。現場を知らずして、分かったようなことを言ったり、当事者のように振る舞うことは、記者時代から厳に戒めていることだからです。
とはいえ、自分1人で張り切って自家用車で向かっても、途中からは舗装されていない細い山道ですし、案内も説明者もいなければ、状況が分かりません。その道も昨年の台風と今回の豪雨で、各所で寸断されているというのです。静岡駅からタクシーをチャーターしていけば「6万円が相場」という山奥に、1000円のお弁当代だけで連れてってくれるというのですから、ありがたい限りでした。
担当者からは、移動は20人乗りのマイクロバスに7人(うち県議4人)だということで…「密にはならない!」と判断して参加を決断。今日は、最後列窓際に陣取って寝ていこうとしたのですが…
バスが軽すぎて縦揺れが激しく、クネクネの山道で一睡もできないどころか、昨日までの疲れと睡眠不足に加え、ずっとマスクをしているので気持ち悪くなってしまい…我慢に我慢を重ね、吐き気と頭痛に耐えながら、なんとか被災現場の近くの赤石温泉にある白樺荘までたどり着いたのは、午前11時30分でした。
自宅を7時、静岡駅を8時15分に出たので正味4時間半! 熊本に行くよりよっぽど遠くて大変でした!!(笑)
先月に続いて、この地にやってきた川勝知事の狙いは…前回は通行できた昨秋の台風の被災後に造られた大井川河川敷の仮設道路が、今月の大雨で流されてしまった現場を報道陣に見せることでした。
林道東俣線は、去年の台風19号により道路の3カ所が崩落し、一部の区間で今も通行止めが続いています。今回、新たに1カ所で崩落があったほか、作業道が冠水するなど4カ所で被害が確認されているそうです。
川勝知事は、JR東海が目指していたヤード整備工事のために現地に配置していた150人の作業員が、今回の豪雨による林道寸断のため完全に孤立。「全員がヘリコプターで救出されて、今は誰も残っていない。JRはどうしてこの事実を公表しないんですか?」と語気を荒げて指摘しました。
「7月中に作業なんてできないでしょ? これは一体誰のせいなのか? 静岡県が遅らせているのか? 台風19号は静岡県のせいとでも言うのか。7月の豪雨は静岡県がもたらしたとでも言うのか? 2027年のリニア開通ができないのは『静岡県が遅らせているからだ』と言っているのは誰ですか?」と矢継ぎ早にまくしたてました。
確かに強烈なインパクトがある被災現場での独演会ではありましたが…大半が地元マスコミと主要マスコミの静岡支局の記者やリポーターが撮影した映像や録音が東京でどのように編集され、霞が関や永田町、そして関連都県でどう受け止められ、明日以降いったいどのような波紋を呼ぶのか…予断を許しません。
雄大な奥大井の景色と新鮮な空気を吸ったら…気持ち悪いのは、すぐに治りました!(*'ω'*)