リニア問題を初質問!
静岡県の危機管理くらし環境委員会で、初めて『リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全について』質問させていただきました。
議案審査とそれ以外の所管事務調査の質問も行いましたが…この問題は、県民にとって今や最大の懸案&注目案件ですので…いつもと違い、他の質問は割愛します!
さて、私の質問の骨子は…
①6月26日の初のトップ会談について、環境局としての評価
・事情を知る県民には、知事の完勝に見えたが…実際はJR東海・金子社長の〝言い訳作り〟に使われたのでは? 工事が遅れているのは、静岡工区だけではないのに…「静岡県が許可しないから2027年の開業ができなくなってしまった」という話になってしまった。
②6月29日のJR東海・宇野副社長からの質問状への回答について
・昨年8月に「活動拠点整備工事」を「自然環境保全協定」なしで受忍したのは「面積が5haを超えたら協定が必要だが、4.9haだったため」という内容で返信しているが、肝心の当時の文書には一切そのことの記載がないのはなぜか? JRの事務方は当然、すべて諒解していたはずだが、それが上層部に伝えられていないことが、今回の牽強付会のゴリ押し要求につながったのではないか?
・回答書自体は、6項目に渡り、しっかりと理論建てた内容で、JRの無理な主張にきっちりダメ出しをした。しかし、JRの言い分だけがNHKニュースで〝速報〟として流された。「試合に勝って勝負に負けた」のでは?
③今後の戦略方針について
・静岡県だけの事業ではない。着地点や出口戦略も考え始めないといけない。環境局の職務、責任ではないが、県の対策本部にはしっかりとした戦略の立て直しのための材料の提供。そして、県はわれわれ県議、そして県民、全国民にも、正確でわかりやすい情報提供と広報が必要では?
…というようなことを率直に伺いました。100%満足のいく回答は、いただけませんでしたが…担当部局としては、これまでもこれからも真摯に、全力でこの大問題に取り組んでいることは十分に理解しました。
質問に立った8人の委員全員が、いろいろな角度からこのリニアトンネル工事を取り上げたのですが…私が一番「なるほど!」と唸り、これまでのいきさつやJRの唯我独尊ぶりを再認識したのは、私の父と同期で互いを〝刎頚之友〟と呼び合っていた自民改革会議の杉山盛雄元議長(62)の質問でした。
…………………………………
杉山県議:「今、東京や県外では、JR東海の言うように『静岡県が今になって突然、JRに無理難題を言い出してきたからこんなことになっちゃった』と思われている。私は県議会議員になって21年になるんだけど…確かに、昨年ぐらいまでは議会や委員会で、リニア工事における水や環境保全問題といったテーマを議論した覚えがない。小学生の夏休みの宿題みたいなもんで、土壇場になってバタバタ片付けようとしたって無理でしょう? いったいJRはいつ、静岡県の南アルプスを通るルートを決めたんでしたっけ? そして、どうして静岡県は、もっと早くから今のような主張を展開しなかったのか?」
答弁に立った担当理事の解説に、私は目を丸くしました。
…………………………………
担当理事:「JR東海は2011年6月に『中央新幹線(東京都・名古屋市間)計画段階環境配慮書』という形で、現在のルートを公開しております。当時は、われわれも大井川の水や自然環境にこれほど影響を与える工事だとは認識していなかったのは確かです。。しかし、2013年の9月になって、JRは『環境評価準備書』の中で「トンネル工事により、大井川の流量が毎秒2㎡減少する」と公表したのです。毎秒2㎡は、60万人の1日の生活用水です。。ですので、県は翌年3月の知事の意見書で「トンネル湧水の全量を戻す」ことを求め、その後もことあるごとに要求してまいりました。
それから4年半もたった2018年10月、JR東海は、やっと「全量を戻す」と表明したわけですが…昨年8月には「先進坑がつながるまでの工事期間中、トンネル湧水は山梨、長野両県に流出し、水は戻せない時期が生じる」と前言を撤回したのです。その他にも「中下流地域の地下水への影響(有害物質の管理を含む」「沢枯れ、河川流量の減少、湧水の河川への戻し方による希少種を含む生態系への影響」「大量に発生するトンネル掘削土の処理に伴う土砂や濁水、重金属の流出等による生態系や生活環境の影響」など…われわれが問いかけたの72項目の課題をクリアする回答や正確なデータをいただけていないのです」
…………………………………
JRは、自分が夏休みの宿題を最終日までほったらかしていたのに…「新学期に入ってから少しずつ出すつもりだから、もういいにしろ!」「僕のパパ(=国交省)は偉いんだぞ!」と威張っているようなものですね!?
静岡県は、今から県民そして日本の全国民に、しっかりとこの事実を伝え、丁寧に説明し、理解を得る努力を早急に始めなければなりません。。水や環境の保全に万全を期すためには、JRにしっかりとルールを守らせ、実行を約束させ、履行させなければなりません。見切り発車だけは絶対に許されません! その大前提のために、微力ながら末席の委員の私も、これから全力を尽くします!!
吉田町川尻で、昨日未明から30時間も延焼し、静岡市吉田消防署員ら4人が亡くなった建物(倉庫)火災について、静岡市消防局から報告を受けた静岡県危機管理部消防保安課長より…現時点で判明している詳細を伺いました。
基本的には、新聞やテレビで報道されている内容ですが…どうして消火や人命救助のプロであるベテラン指揮隊員と救助隊員が、命を落としてしまったのか? なぜ軽装の牧之原署の巡査長が一緒だったのか? といった当初からの疑問が、だいぶクリアになりました。
静岡県で消防関係者が、公務中に殉職したのは令和になって初めてです。。平成の30余年では8人でしたが…全員が、野外訓練中や出初め式での急病だったり、出動中や帰宅時の交通事故でした。
今回のような火災現場での活動時の殉職となると…やはり静岡市消防署員など5人がなくなった1980年(昭55)8月の『静岡駅前ゴールデン地下街爆発事故』以来、実に40年ぶりだそうで…
「本当に珍しい…こんなことが起こるなんて…。めったにない悲劇なんです」と、消防保安課長は痛恨の表情で話してくれました。
志半ばで、尊い命を落とされた働き盛りの4名の勇敢なみなさまのご冥福を、心からお祈り申し上げます。
原因究明と再発防止のため、静岡市消防局が早急に調査委員会を立ち上げるほか、国も『消防庁消防科学研究所』の調査チームを現地に派遣するそうです。