コロナ予算とマスク決議
静岡県議会は最終日の本日18日、川勝知事から提案された新型コロナウイルス対策に特化した総額23億9700万円の令和2年度一般会計補正予算案を、当初予算案(1兆2792億円)に追加して審議、可決しました。
県議会の同じ定例会中に通常予算と補正予算(2月補正)が組まれたのは、1953年(昭28)以来、実に67年ぶり3度目のことです。
【感染症対策事業費助成(1億4410万円)】
〇PCR検査の自己負担分の無償化
・検査の保険適用に伴い発生する自己負担分(5850円/回)を県が負担(3510万円)
〇医療機関における病床確保に要する経費を助成(1床あたり1万6190円/日=6000万円)
〇入院可能な病床整備のため、人工呼吸器等を購入する医療機関を助成(補助率10/10で4900万円)
【社会福祉施設等感染症拡大防止対策事業費助成(1億490万円)】
〇感染症の拡大に備え、感染の疑いが生じた場合に隔離する個室を整備する入所施設を支援
【中小企業への緊急金融支援事業費(18億4800万円)】
〇県内企業の資金繰りに対する支援拡充
〇制度融資「新型コロナウイルス感染症対応枠」の拡充
・融 資 枠:500億円
・融資限度額:8000万円
・利子補給率:0.67%
・融資利率:1.3~1.4%(市町に上乗せ利子補給を依頼)
〇SN4号・5号、危機管理関連保証の保証料への助成
・補 助 率:0.58~0.8%
・企業負担:0% 負担なし
【感染収束緊急観光誘客対策費(3億円)】
〇感染症収束後の速やかな観光誘客対策
・国内外に向けた需要喚起、宿泊事業者、観光事業者等と連携した誘客キャンペーン。
・空港利用拡大対策
委員長報告や討論の後、予算案等全75件の議案と請願を可決・承認した上で、最後に大量のマスクをインターネット上で販売した焼津市選出の諸田洋之県議(53)に対する問責決議案も審議、採決されました。
4人の提案議員の1人、公明党県議団の蓮池章平県議が「県議会議員という公職にあるものが、品薄のマスクをネットオークションで値段を吊り上げ利益を得たことは、県民の付託を受け、県民の範となる議員の自覚と品位に著しく欠け 静岡県議会の名誉をも大きく傷つけたものであります。道義的、政治的責任は極めて重く、諸田洋之議員に対し、強く猛省を促し、責任を問うために決議案を提出するものであります」と提案理由を述べた後で採決が行われ、事前に退席した諸田県議本人を除く全議員の賛成で可決されました。
県議への問責決議案の提出・可決は、静岡県政史上初めてのことですが、決議には法的な拘束力はありません。諸田議員は待ち受けた多くの報道陣を前に「多くの方々からのご意見、ご批判があると承知しております。そのような多くの声を真摯に受け止めながらも、県議としてしっかり仕事で返すこと。これを行いたいと考えております」と話し、改めて議員辞職の考えのないことを明らかにしました。