生まれて初めての弔辞
10月の台風19号による浸水被害等で課題が浮き彫りになった牧之原市内の静岡県が管理する3つの二級河川の整備促進の要望のため、杉本市長、中野議長、大井副議長、平口総務建設委員長、そして市役所の担当課長・職員とともに、島田土木事務所と静岡県庁の交通基盤部へ陳情に押しかけました!(笑)
10月12~13日にかけて東日本に襲来した台風19号では、静岡空港のアメダスの測定で総雨量382mmを記録するなど、牧之原市にも記録的な大雨が降り、県管理河川の坂口谷川、勝間田川、萩間川の3川が「氾濫危険水位」を超過しました。
このような状況の中、市内各地で越水、溢水、そして内水氾濫により、浸水や冠水が発生し、住家の床上浸水12棟、床下浸水91棟をはじめ、社会基盤、農作物、商工業、観光産業等の甚大な被害がありました。これらの浸水被害は、主に3つの二級河川にそれぞれの支川が合流する地点で発生しており、本川の水位の急昇で支川の水が流れずに逆流や氾濫する「バックウォーター現象」によるものと考えられています。
そこで、地球温暖化の進行に伴う激甚災害級の大水害に対応できる河川整備計画の推進や見直しをハード・ソフトの両面から、県に直接お願いに伺ったというわけでです。。
市長の現状説明と要望などに引き続き、私も「静岡県のど真ん中、空の玄関口の静岡空港のおひざ元の牧之原市の基幹産業、交通アクセスを守るため、ぜひとも早期の整備促進をお願いいたします!!」と強く要請したところ…いつも建設委員会でお世話になっている宮尾交通基盤部長から「現状とみなさまの思いは理解いたしました。ただし、河川整備のためには、予算確保が第一。そのためにも、県議にもよろしくお願いいたします」と見事に返されてしまいました!(笑)
今の私にできることは、こうして地元のみなさんと一緒に、熱意を持って訴え続けることだけです。。「後は…所属する建設委員会で〝地元ファースト〟の立場から、何度も質問や要望するしかないのかなあ?」と苦笑いしました。。頑張ります。
本日の具体的な要望事項は…
①二級河川の坂口谷川・勝間田川・萩間川の河川整備計画に基づく整備促進。
②越水・溢水箇所の整備計画の策定及び整備促進。
③市民の避難行動や市職員の防災体制強化のための支援。
県からは「国土強靭化における地域計画の見直しや3箇年緊急対策の延長を国に要望を行うなど、整備計画の促進に向けて予算確保に努める」「川床掘削については、優先順位を付けて実施して行く」「越水・溢水箇所の一部区間は、すでに調査事業に着手している」「坂口谷川流域総合的治水対策推進協議会を年内に立ち上げたい」等、かなり前向きな回答がありました。
22日にお亡くなりになった内藤利春元静波区長(享年75)の葬儀が行われ、私は生まれて初めて弔辞を読ませていただきました。6年前、何の実績も経験もないのに、自意識と鼻っ柱だけが強い生意気な新米市議だった私に「健司君。謙虚になれよ。みんなの話を聴き、みんなに認められ、慕われる政治家になるんだよ」と温かな眼差しで、諭してくださいました。
無謀にも市長選にチャレンジした2年前には、ボーと歩いていた私を畑の中から見つけるや…「オイ! けんじクンやあー! じゃんがー持ってきな!」と、その場でジャガイモを掘り出して、袋いっぱいくださいました。
ちょうど1カ月前の10月末、ご子息の康利さんから病状を伺い、菊川の病院にお見舞いに行きました。すでに食事は食べられず、点滴だけの栄養摂取ですっかり痩せてしまっていましたが、眼光と舌鋒の鋭さだけは以前のままでした。
目前に迫っていた服織田神社の屋台や御渡りへの町内会のおもてなしのことをとても心配されていて「お祭りの神事や伝統は、誰かがしっかり伝えていかなきゃならんで」とその二日後に退院されたと聞き、腰が抜けるほど驚きました。そして11月2日の御渡り当日、御仏のような穏やかな笑みを浮かべ、神事と行列を見つめる車イス姿の利春さんの姿を私は一生忘れません。
この春、みなさまのご支援ご声援で県議会議員に当選させていただいた私に、牧之原市ソフトボール協会理事長の内藤さんは少し申し訳なさそうに切り出されました。「来年3月にぐりんぱるで六年ぶりに全国私学のソフトボール大会があるだだよ。前回は、哲司さんの声掛けでで、開会式に静岡県警の音楽隊が来てくれただよ。球技の全国大会が牧之原市で開催されるなんて、他にはないだよ。今回もできんかやあ?」と。
利春さん。安心してください! 音楽隊は来年もちゃんと来てくれることになりましたよ。長年に渡り、さまざまな大役を抱え、重い責任感と誰にも真似できない使命感で大切な命をすり減らしてしまった利春さん。
本当に、ありがとうございました。どうか、安らかにお眠りください。