ふるさとの森を緊急修繕
昨日開会した静岡県議会9月定例会では、事業費80億3900万円を追加する『2019年度一般会計補正予算案』が計上されました。。その内容は多岐にわたるわけですが…担当部局の説明によると、いずれも「県の新ビジョンの基本理念である富国有徳の『美しい〝ふじのくに〟づくりを加速させるため必要となった経費等について計上した』したそうです。
そんな中で、くらし・環境部から提出された2つの事業の中に、4年ぶりに誕生した牧之原市在住の県議会議員の私にとって、とてもうれしい補正予算への計上が実現しました!! その事業は『自然ふれあい施設管理運営費』の1200万円!! その詳細は…「安全点検の結果を踏まえ『榛原ふるさとの森』において、歩道および階段の緊急修繕を行う」というものです。
牧之原市勝間田区の切山地域にある「榛原ふるさとの森」は、豊かな里山の自然を取り戻すために整備された静岡県の施設です。
「榛原ふるさとの森」の大きなテーマの1つは、里山の自然環境や生き物たちを「そのまま・まるごと残す」ことです。ここには、動物園や博物館では出会えない、生の里山の自然や生き物たちが息づいています。市内の子どもたちも、この施設を利用してさまざまな体験や学習をしています。(牧之原市のホームページより)
場所の地図は…⇒こちら!!
ここは、昭和40年代ごろまでは、谷津田や薪炭林、採草地などとして利用され、明るい森と湿地・草地を持つ里山でした。しかし、それ以降、長期間放置されてきた結果、里山本来の自然環境が失われつつありました。そこで平成の世に豊かな自然を取り戻すために整備されたのが「榛原ふるさとの森」なのです。
具体的には…①大久保の棚田…長年放置されてきた棚田を復元。湿地特有な林を見ることができる。②踏み分け道…自然環境を守るため、地形に合わせた歩道を設置している。③なぎの沢の谷津田…細長い谷に続く田んぼに、多様なトンボやカエルが住んでいる。④なぎの沢門…屋根に草の生える門は、竹材や杭をしまう収納スペースになっているーーーというような昔からの自然を生かし、引き立てる建物や工作物、見どころがたくさんあります。
動植物や昆虫など、生き物は多彩です!
<榛原ふるさとの森に生息している生物>
【植物】
シダ植物 :1科48種
種子植物・裸子植物: 3科 4種
被子植物・双子葉植物離弁花類: 32科 74種
合弁花類 :15科 39種
単子葉植物 :9科 34種
【哺乳類】 2目2科2種(ノウサギ、ニホンリス)
【鳥類】 10目25科43種(オオタカ、サシバなど)
【両生類】 2目4科5種(イモリ、アズマヒキガエル、タゴガエル、ツチガエル、シュレーゲルアオガエル)
【爬虫類】 2目4科5種 (イシガメ、カナヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ、マムシ)
【魚類】 2目2科2種 (ホトケドジョウ、カワヨシノボリ)
【昆虫類】 2目272科1380種(オニヤンマ、オオゴキブリなど)
あなたは、この森に行かれたことがありますか?? 私の少年時代にはなかったこの県管理の森は、静岡空港建設時の周辺整備事業の一環として、地域の豊かな自然環境を後世に残すために整備された施設なのですが…勝間田区の最北端の切山地区の一角に立て看板が設置されている程度で、最近ではほとんど市民や県民には、積極的な告知やPRがされていないような気がします。。生まれ故郷に帰ってまだ10年の私も、県議会議員になるまでは詳しい内容も緊急修繕が必要な現状も地域のみなさんや県の担当者から報告を受けるまで、認識していませんでした。
というわけで、本日改めて現地に行って取材してまいりました! 下の写真のように、ここ数年の異常気象による豪雨が原因で、美しい森の中の通路や階段の至る所が崩れたり、傾いたりしたりして、通行禁止になっていました。。これでは順路通りに周回コースを巡れませんし…近くに行くだけでも、幼稚園児や小学生には危険すぎます!!
牧之原市の誇る知られざるこの〝秘境〟を今回の補正予算で再整備していただけることとなり、本当にうれしくありがたく思っています。そして、晴れて緊急補修工事が完了した暁には、市内外にこの森の魅力と価値をアピールして、自然を愛する多くの県民、市民…特に子どもたちを呼び込む自然教育の場、そして最高の観光資源としても活用するべきだと確信しています。