ロマンスの日に県議会開会
本日、令和元年6月県議会定例会が開会しました。
冒頭、川勝平太知事から、以下の所信表明と提案説明がありました。
【子どもの安全確保対策について】
先月8日、滋賀県大津市で園児が巻き込まれる交通事故が発生し、28日には、神奈川県川崎市で、スクールバスを待っていた小学生等が殺傷される大変痛ましい事件が発生いたしました。お亡くなりになられた方々及び御遺族の皆様に対しまして、衷心より哀悼の意を表しますとともに、怪我をなされた皆様の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
今回の事故、事件を受けまして、先月30日、関係部局で構成する「静岡県子どもの安全確保緊急対策会議」を設置し、今月11日の第2回会議で、防犯、交通安全に関する県の取組を、緊急対策アクションとして取りまとめたところであります。
また、同じ11日に開催した「しずおか防犯まちづくり県民会議」において、この緊急対策アクションに、市町、民間団体等の取組も加え、「オール静岡」で、子どもの安全確保対策を強化していくことといたしました。
県といたしましては、できる対策から早急に実行していくという考えの下、子どもや保護者、職員向けの防犯講座や、通学路・通園路等の安全対策などを緊急的に実施することとし、必要となる経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
官民が危機感を共有して「One for All Children, All for Every Child」(一人はすべての子どもたちのために。全員はそれぞれの子どものために…)の精神により、これまで以上に幅広い視点に立った対策を講じ、子どもたちの安全確保に、全力で取り組んでまいります。
【「命」を守る危機管理体制について】
近年多発する豪雨災害への対応につきましては、住民自らによる事前の準備と速やかで確実な避難が何より重要であります。このため、今月1日から、大雨・洪水警報や避難勧告などの緊急防災情報の通知、地域の危険性や避難方法の事前確認、浸水想定を踏まえた避難トレーニングなど、様々な機能を備えたスマートフォン向けの総合防災アプリ「静岡県防災」の運用を開始いたしました。平常時、災害時を問わず、幅広く御活用いただけるよう期待しております。
また、住民一人ひとりが、台風等の風水害を想定して、避難までの行動計画を時系列で作成する「マイ・タイムライン」を普及するため、藤枝市をモデル地区に住民とのワークショップを開催するなど、県民の防災意識の醸成を図ってまいります。
本年度の総合防災訓練につきましては、「みんなの〝チカラ〟をいざ結集! 自助、共助、公助で守ろう命とくらし」をテーマとして、9月1日、三島市、函南町、愛鷹広域公園、富士山静岡空港などをメイン会場に実施いたします。
大規模地震の発生により、甚大な被害が発生した事態を想定し、自衛隊・警察・消防など関係機関の協力を得て、救出・救助訓練、緊急物資輸送訓練、航空搬送拠点開設・運営訓練のほか、東京2020オリンピック・パラリンピックなど大幅な増加が見込まれる観光客の避難誘導訓練も併せて実施し、防災力の更なる強化を図ってまいります。
【豚コレラの緊急対策について】
昨年9月に岐阜県で発生した豚コレラは、これまでに本県に接する愛知県を含む5府県で感染が確認され、いまだ収束しておりません。これまで、本県での発生は確認されておりませんが、県内で飼育されている約11万頭のうち4割が、愛知県に接する湖西市と浜松市で飼育され、豚コレラの防疫体制の強化が急務であります。
このため、緊急的な対応として、養豚場における消毒指導の徹底や県境における畜産関係車両の消毒に加え、感染源とされる野生イノシシの養豚場への侵入防止、捕獲、検査などの対策を強化いたしました。また、豚コレラが発生した場合に備え、養豚農家が経営再建等に必要な資金を借り入れる際の負担軽減など、必要となる経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
【社会健康医学の推進について】
本年3月、県民の健康寿命の延伸を図るため、社会健康医学に関する研究を長期かつ継続的に推進し、研究成果を広く県民に還元する人材の育成を目指す「社会健康医学大学院大学」の設置に係る基本構想を策定いたしました。
大学院大学の設置場所につきましては、十分な施設規模と教員や学生の利便性を確保する観点から、基本構想の策定に併せて検討してまいりましたが、県立総合病院に隣接する環境衛生科学研究所に加え、県に寄附されることとなった静岡県赤十字血液センターの建物を大学施設として有効活用することといたしました。このため、施設改修のための設計等に必要な経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
また、大学院大学の運営主体につきましては、自主自立的な環境の下、魅力ある教育と研究が展開できるよう、公立大学法人を新たに設立することといたしました。 約2年後となる令和3年4月の開学を目指し、着実に準備を進めてまいります。
【発達障害のある方への支援について】
来年度から、東部地域と中西部地域の2カ所体制とし、機能を充実する発達障害者支援センターにつきましては、運営を委託する民間法人2者を決定いたしました。
いずれの法人も、発達障害に関する高い専門性と支援の実績を有しており、経験豊富な職員が配置される予定であります。東部は沼津市、中西部は島田市に開設しますことから、より身近で、専門的な支援が提供できるものと考えております。相談者一人ひとりの障害の特性を踏まえた丁寧な引継ぎを行い、来年4月からの新体制に円滑に移行できるよう、準備を進めてまいります。
【多文化共生社会の実現について】
来月1日、外国人県民の生活上の様々な相談に対応する「静岡県多文化共生総合相談センター」を静岡市内に開設いたします。センターの愛称は、本県特産のお茶、すなわち、「チャノキ」の学名である「カメリア・シネンシス」から取りまして「かめりあ」といたしました。
センターには、日本語をはじめ、ポルトガル語、フィリピノ語、英語、中国語、ベトナム語、韓国語、スペイン語、インドネシア語の9言語に対応できる相談員を配置するほか、テレビ電話通訳、翻訳機を活用し、ネパール語、タイ語などを加えた11言語以上で対応が可能な体制を整えます。 県、市町、関係機関が相互に連携してきめ細かな相談対応を図り、外国人県民が安心して快適に暮らし、活躍できる地域づくりに取り組んでまいります。
【成長産業の育成について】
21世紀の基幹産業の一つとして期待されるマリンバイオ産業の振興につきましては、プロジェクトの推進機関となる一般財団法人マリンオープンイノベーション機構、通称Ma-OI(マオイ)機構を来月に設立いたします。理事長には、東京農工大学前学長の松永是(ただし)氏に御就任いただく予定であります。また、プロジェクトの中核拠点施設となるマリンオープンイノベーションパーク(通称マオイパーク)を、来年秋の完成を目指し、清水マリンビル内に整備しております。
今後、オープンイノベーションの場となるネットワーク組織「フォーラム」を立ち上げ、県内外の大学や研究機関のシーズと地域企業のニーズのマッチングを促進し、マリンバイオテクノロジーを核とした多彩な産業の振興と創出を図ってまいります。セルロースナノファイバー(CNF)につきましては、先月24日、富士工業技術支援センターに、企業の製品開発を支援する「ふじのくにCNF研究開発センター」をオープンいたしました。
静岡大学がCNFの産業応用に関する研究開発に取り組むCNFサテライトオフィスを開設したほか、10月には、富士工業技術支援センターと共同研究を行う「CNFラボ」に地域企業が入居する予定であります。センターを拠点とした産学官連携の研究開発を展開し、CNF関連産業の集積と育成を進めてまいります。
【「森は海の恋人」水の循環研究会の設置について】
多様な生態系の保全に向けては、森の養分が川を通して汽水域に流れ、豊穣の海を育む「森」と「海」のつながりを理解することが重要であります。このため、南アルプスから駿河湾沿岸部までをケーススタディとして、森と海を結ぶ水を介した生態系の循環構造の調査研究を行う、「森は海の恋人」水の循環研究会を設置いたします。
研究会の顧問には、山梨県富士山世界遺産センター所長の秋道智彌氏、委員長には元東海大学海洋学部教授の鈴木伸洋氏に御就任いただく予定であります。今後、海洋、河川、森林に知見のある委員の方々とともに、ユネスコエコパークである南アルプス、世界で最も美しい湾クラブに加盟する駿河湾という世界クラスの資源をフィールドに研究を進め、生物多様性の保全と持続可能な利用につなげてまいります。
【海洋プラスチックごみ対策について】
プラスチックごみの流出による海洋汚染が地球規模で広がっております。先月10日には、有害廃棄物の国境を越えた移動を規制するバーゼル条約の対象に、リサイクルに適さない汚れたプラスチックを加える改正が、締約国会議で合意されました。また、今月28日から開催されるG20大阪サミットにおいても、海洋プラスチックごみ問題が重要な議題とされております。
世界に誇る美しい湾や長い海岸線を有し、豊かな海からの恵みを受けている本県も、世界の一員としてこの問題に率先して取り組まなければなりません。このため、プラスチックごみの発生抑制と流出防止に向け、従来の「リデュース、リユース、リサイクル」の「3R」にレジ袋などを断る「リフューズ」、ごみを持ち帰る「リターン」、海岸や河川を清掃する「リカバー」を加えた本県独自の「6R」を、県民運動の基本方針として定め、先月30日の静岡県海洋プラスチックごみ防止「県民運動推進大会」において、満場一致で賛同を得たところであります。
今後は、県民運動を県内全域で展開し、やがてはこの取組が世界に広がるよう、県民総参加で美しく豊かな海を守ってまいります。
【リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源等の保全について】
リニア中央新幹線トンネル工事に伴う水資源や自然環境への悪影響を回避するため、「静岡県中央新幹線環境保全連絡会議」を設置し、専門家を交えた専門部会で、JR東海との対話を重ねてまいりました。
これまでの対話では、リスク管理や生物多様性の保存に関わる基本的な考え方など、JR東海の説明は、十分とは言えず、利水者や地域住民の皆様に納得し、安心していただける状態には至っておりません。
このため、専門部会における委員の現段階の意見を整理し、大井川利水関係協議会にも御意見を伺って「中間意見書」を取りまとめました。今月6日には、JR東海に、誠意ある回答を求めたところであり、南アルプスを源流とする大井川を、“命の水”とする利水者や地域住民の皆様に真摯に向き合い、納得いただける回答を期待しております。
また、13日には、リニア中央新幹線建設予定地の状況を確認するため、専門部会の委員、利水者や地元市町の皆様とともに現地を視察いたしました。 複雑な地質構造や貴重な生態系を有する南アルプスの自然環境、さらには、工事等に利用する道路の安全性が確保されておらず、流量も見た目には少ない状況も確認できました。
このような状況や中間意見書に対する回答を受けていない現段階では、本体工事の着手を認めることはできないと考えております。
引き続き、リニア中央新幹線トンネル工事に伴う水資源、自然環境への悪影響を回避するよう、全力で取り組んでまいります。
【スポーツの聖地づくりについて】
9月の大会本番を目前に控えたラグビーワールドカップ2019につきましては、8月3日、大会最後のカウントダウンイベントとして、ワールドカップ約50日前の重要な強化試合である日本代表対トンガ代表戦のパブリックビューイングを静岡市内で開催いたします。大会本番に向け、組織委員会や地元市町等と連携し、機運の醸成と開催準備の総仕上げを行ってまいります。
東京2020オリンピック・パラリンピックにつきましては、今月1日、大会組織委員会から聖火リレーのルート概要が発表されました。「希望の道を、つなごう。」をコンセプトに、聖火の光が、121日間にわたり全国47都道府県をつなぎます。
本県では、来年6月24日から26日の3日間にかけて、世界遺産富士山を望む日本一深い駿河湾や茶畑が織りなす絶景を背景に、富士山静岡空港、富士山世界遺産センター、世界文化遺産韮山反射炉など、世界クラスの地域資源の数々を巡ります。今後、聖火をつなぐランナーの募集、選考も行ってまいります。
大会開幕へ向けて、県下一丸となって機運を高めるとともに、今後実施されるテストイベントにおける課題の検証や都市ボランティアの養成など、東京2020オリンピック・パラリンピック自転車競技の本県開催の成功に向け、万全を期してまいります。
【世界遺産富士山について】
保全状況報告書につきましては、先月、ユネスコ世界遺産センター事務局及び諮問機関により「世界遺産登録時に特定した6つの分野全てにおいて順調な進展が見られる」とする決議案が公開されましたが、この決議案では、なんと3度目となる保全状況報告書の提出を、来年12月1日までに要請されております。正式な審査、評価の決定は、今月30日からアゼルバイジャンのバクーで開催される世界遺産委員会で行われることとなります。
引き続き、関係機関と連携し、うるわしく和した国土のシンボル富士山が、国内外の皆様に愛され、末永く後世に継承されますよう、適切な保存管理に努めてまいります。
この夏の開山期間につきましては、本県では、昨年と同様、来る7月10日から9月10日までといたしました。開山期間中には、登山者の安全を確保するため、登山道の混雑箇所への安全誘導員の配置や、混雑日や混雑時間の事前周知による登山者の分散化などに取り組んでまいります。
また、富士山の環境保全や安全対策を目的とした富士山保全協力金につきましては、山頂を目指す登山者に加え、この夏からは、五合目から先を訪れる全ての方に御協力をお願いすることといたしました。今後も多くの皆様に御協力いただけますよう、心からお願い申し上げます。
【地域外交の推進について】
今月6日から9日にかけて、北京市政府から出展要請のありました北京国際園芸博覧会に合わせて、中国を訪問いたしました。
北京市で開催されている国際園芸博覧会では、2019年北京国際園芸博覧会事務協調局常務副局長周剣平氏と面談し、また、世界的なガーデンデザイナー石原和幸氏による、日本一の生産量を誇る本県特産のガーベラを使ってデザインした富士山の展示を日本展示館で行い、ピアノの自動演奏と音楽に合わせて繰り広げられる富士山と桜の映像、浙江省との友好を示す銘茶、龍井(ろんじん)茶の香りを交えながら、「花の都しずおか」「茶の都しずおか」をPRいたしました。
私が訪れた今月8日の本県展示のオープニングには、1万3千人を超える方々が来館し、生花で作られた赤富士の美しさに驚きの声が上がるなど、多くの皆様に静岡県の魅力を堪能していただきました。また、北京市の王紅副市長とお会いし、音楽教育をはじめ、スポーツや文化、観光など幅広い分野での相互交流について意見交換いたしました。
このほか、前浙江省書記の中国人民政治協商会議 夏宝龍副主席兼秘書長や、中国商務部国際貿易経済研究院 于副院長とも面談し、友好関係の強化を図ってまいりました。 今後も、今回築いた関係をより強固なものとし、相互に実のある関係を深めてまいります。
【富士山静岡空港について】
今月4日、富士山静岡空港は開港10周年の節目を迎えました。開港から10年の間には、定期便の運休や減便など困難な時期もありましたが、県議会の皆様をはじめ、地域住民、航空関係者の御理解、御支援に加え、航空・旅行会社と連携した地道な利用促進の取組などにより、これまでに570万人を超える方々に御利用いただきました。
本年4月からは、富士山静岡空港株式会社による運営に移行し、県、運営権者、富士山静岡空港利用促進協議会等が連携して、新規路線の開設、既存路線の利用促進に取り組んでいるところであります。
来年中には、山梨県と本県を結ぶ中部横断自動車道の全線が開通する予定であり、まさに、富士山静岡空港は、富士の国の奥座敷である山梨と、表玄関である静岡の両県の空の玄関口となります。令和の時代も、更に多くの皆様に選ばれる、魅力あふれる空港を目指してまいります。
【決算の見通しについて】
平成30年度の一般会計決算につきましては、法人二税が最終予算を上回ることや、予算の効率的な執行による不用残などにより、財政調整のための基金の取崩しを30億円中止し、来年度以降の財源を確保いたしました。この結果、実質収支は50億円程度の黒字を確保できる見込みであります。
【6月補正予算案について】
6月補正予算は、当初予算編成後の事情変化により、早急に対応する必要がある取組について編成いたしました。先程説明いたしました子どもの安全確保対策、豚コレラ対策、社会健康医学大学院大学の開学準備に必要な経費のほか、サクラエビの資源量を把握するための生体数予測調査などの経費を計上したところであります。
この結果、一般会計補正予算の規模は、4億6200万円で、これを加えました本年度の予算の累計額は、1兆2070億6200万円となります。
午後からは全議員を対象にした議員研修会が行われました。東京大学大学院情報学環特任教授の片田敏孝氏による『荒ぶる自然災害に向かい合う、これからの防災・減災』という講演でした。
激甚化の一途をたどる近年の自然災害の対応策として…「災害の検証や反省をして、行政がハード面の対策を積み増し続けることだけで、本当に次なる災害の発生が防げるのか??」「これからの行政は、地域住民に対して『自分の命を守る』ことへの主体的な姿勢・姿勢を植え付けるサポートが必要である」という斬新で大胆なご講演でした。
私は25日の一般質問で「地震・津波対策の推進について」という項目も質問するので、大変参考になりました。質問文の中に、片田氏の講演内容を織り込みたいと思います。
本日6月19日は…『ロマンスの日』でもありました!
しかし…『ロ(6)マンチ(1)ック(9)』って…かなり強引で、日本でしか通用しないこじつけの理由ですよね?(笑)
もはや自分的には、持っていても仕方ない資格のような気もしますが…何を隠そう、私は日本ロマンチスト協会のロマンス宣教師でもあります! 洗礼を受けたい方は、ご連絡ください!