初代「牧之原王(KOM)」誕生
<悔しそうな前回優勝の堀内さん(右)から祝福される総合王者・大田さん>
昨日は疲労と全身の痛みで、大会の模様を紹介できませんでしたが…一夜明けてやっと落ち着きましたので、スポーツ新聞ぽく描写してみました!(笑)
<牧之原グリーンティー・カップ【最終戦】>
◇21日◇静岡県牧之原市カタショー・ワンラボ
エキスパート(6時間)クラス男子で、前回3位の大田貴史さん(28=牧之原市)が、同優勝者の堀内久史さん(37=長野・辰野町)との死闘を制し、悲願の初優勝。年間総合ポイントでも頂点に躍り出て、最終戦で栄えある初代『キング・オブ・牧之原(KOM)』に輝いた。地元の利を生かした緻密な戦略と今大会のために投入した高級新車(フォーカス・イザルコ)の性能を生かし〝シクログ新記録〟の2580ポイントをゲット。連覇を目指した2位堀内さんに120ポイント差で競り勝った。
ステージ上で優勝スピーチに臨む大田さんの声が震えていた。「夢のようです。(得点が表示されなくなる)ゴール1時間前までは、堀内さんに負けていたんです。最後の最後まであきらめずに頑張ってよかった」。こみ上げる涙をこらえて感慨に浸った。
冷や汗ものの総合王者だった。6月の開幕戦では2位だったが、先月の第2戦では3位と優勝が遠かった。静波区在住だけに「全戦に参戦して総合優勝する!」と誓っていたが、当初5戦だったシリーズが3戦に短縮され、急にハードルが上がっていた。大逆転を狙って戦略を練り直した。「スタートから1時間限定で…」店舗のログスポット(チェックポイント)の密集する相良を廻ってボーナスポイントを稼いでから、榛原に移動。空港周辺から中山間地を抜けて牧之原台地に駆け上がり、終盤は広範囲に高得点をクリアしていった。
設計士の仕事が多忙で、不足していた練習とコンディション調整を補おうと今大会用に購入した30万円以上する新車も大活躍してくれた。前回「うっかり忘れて…ボーナスポイントを取り損ねた」という『秋葉山で忍者を発見したら200ポイント』という破格の高得点の名物スポットが、先月末の台風24号の暴風で山頂付近の木が倒れて立入禁止となり今回は中止となっていたことも、大田さんには有利に働いた。
生まれも育ちも岡山だが、会社の転勤で牧之原市に住んで早4年。「海岸線も山里も…いろんな坂も台地の上も楽しく、気持ちよく走れる牧之原が大好きです! 僕がKOM(King of Makinohara)??? 照れくさいけど、光栄です!」と声を震わせた。
〇…連覇を狙った堀内さんが、まさかの逆転負けに打ちひしがれた。「もちろん、今日も勝つつもりでしたし、勝ったと思っていました」とぼう然と話した。前回同様、前日に牧之原入りした。長野県からの長旅には、前回優勝の副賞の『ガソリン満タン券』(寺田燃料さん提供)は「本当にありがたかったです。牧之原は最高です」。今回も、入念な下見とシミュレーションを重ねたが、地元の在住の新王者の執念の前に苦杯をなめた。「でも、前回の記録(2410点)は50点更新できました。優勝した大田さんがすごいんです」と最後は、笑顔で勝者を称えた。