竜眼山の義猿堂
今朝の川崎小学校の「読み聞かせボランティア」も、地元に伝わる『竜眼山の義猿堂』という知られざる民話を取り上げました。
秋の龍眼山で獲物を探していた独り身の猟師が、ケガをしていた子連れの母ザルをどうしても撃つことができず…家に連れ帰り、自分が作った煮物を与え、全快するまで世話をして、2匹を山に帰してあげたところ…
猟師が貧しさと寒さで困窮した真冬の朝に、サルの群れが現れて、栗を届けてくれたそうです。さらに後日、山道で足を滑らせて崖下に転落した彼を、サルたちがみんなで救い出して、家まで運んでくれたのだとか。
この話を聞いた村人たちは、龍眼山のふもとに“義猿堂”を建て、サルたちの真心に深く感謝したそうです。
全国ニュースになった遠渡区での『サル騒動』の後だけに、3年3組のみんなは目を輝かせて、話を聞き入ってくれました。
助けてくれた方、家族がお世話になった人への『一宿一飯の恩』を忘れなかったサルたちの仁義、恩返しの物語は、読む直前まで内容を知らなかった私の胸にも、響きました。心がほっこりしました。
読み聞かせ終了後、龍眼山のふもとにある榛原公園に行ってみました。
今は、コンクリート製の庚申堂が建っている近くに、昔は義猿堂もあったそうです…お堂に向かう階段の上には、母子のサルの石像が立っていました。
建立は「昭和60年(1985)」と刻まれていましたが…間違いなく、この昔話をモチーフにしていたのだということを本日、初めて学びました。