昭和の駄菓子屋の物語
本日4月29日は〝昭和の日〟です。
平成の世も終わりを告げようとしている今…牧之原市には、昭和の駄菓子屋が現存しています。
細江区時ヶ谷の『きくちゃ』が開店したのは、今から67年も前の昭和28年(1951)。店主の藤田三代さん(90)が御長女の誕生の翌年に「子育てしながらでもできる商売をしたい」と自宅を改造して、近所の子どもたちにお菓子やかき氷を販売し始めたのが始まりです。
名もない小さなお店は、いつしかご主人の喜久雄さん(故人)の愛称だった「きくちゃ」と呼ばれるようになりました。三代さんは、30年前に最愛のご主人が亡くなってからも、ずっとこの店先に座り、昭和から平成の小学生を笑顔で見守り続けてきたのです。「儲けようとは思ってないでね。年金生活だし」。驚くべきことに店先の駄菓子の値札は、何十年もほとんど変わっていません。
「今じゃ店の前の通りに住む小学生は1人もいないだよ。でも、こうして毎日お店を開けていると、遠くからでもお客さんが来てくれるだよ。だから、私はこれからも体の続く限り、ずっとお店を守っていきたいやあ」。三代さんは穏やかな笑みで話してくださいました。
2年前に世界で初開催された自転車イベント『牧之原グリーンティー・カップ2016』で、古き良き時代の郷愁漂う異色のログスポットとして、都会や遠方からの参加者のみなさんに大変喜んでいただいたことを、5月には91歳となる三代さんは、はっきりと覚えています。
「こんな裏道の駄菓子屋をめがけて、自転車に乗った大勢の人たちがやってきてくれて、本当にうれしかったやあ。また、始まるだね? じゃああと1カ月ちょっと、体調を整えてお迎えしますね」。
牧之原の誇る昭和の情景『三丁目の夕日』の世界を体感するために…市民のあなたもどうか『牧之原グリーンティー・カップ2018』にご参加ください!
長藤の盛り過ぎても この人出 ~夏炉