漫画の家
「ティオ(叔父さん)! 今夜、みんなでドラゴンボールを見に行かない? わざわざコスタリカまで来て、日本のマンガなんて…と思うかもしれないけど、ボクらがどれだけ日本のアニメや日本食が好きで、日本に憧れているかがわかるから!」。
大学生の甥っ子ホセ・パウロに誘われて、サンホセ市内にある“漫画酒場”に行ってました。。その名も『Casa Manga』。。店内の掛け軸? では「ぢたくまんが」と意訳? されていましたが(笑)…そこは、間違いなく日本のアニメのキャラクターがあふれる「漫画の家」でした。
ホセ・パウロら20代前半の若者たちが「小学生時代、学校から帰ると毎日、テレビで観ていた」というドラゴンボールはもちろん、私の妻の少女時代のお気に入りだったというマジンガーZや宇宙戦艦ヤマト、となりのトトロ、ポケモン、ヱヴァンゲリオン。。時代は飛んでデスノートから東京喰種。なぜかNHKのドーモくんまで…多種多様な日本のマンガやアニメのフィギュアやグッズが所狭しと陳列されていて、とにかくびっくり。感激しました!!
日本の漫画やアニメの熱狂的オタクのコロンビア人オーナーが、自身のコレクションのすべてを注ぎ込んでオープンしたというこの店は、20~30代の若者で大盛況。。日本人は皆無。日本語を理解できる人は1人もいないのに…日本のアニメが字幕付きで流れ、海賊版のDVDが売られ、若者たちはYouTubeに投稿されているアニメソングのカラオケを熱唱していました。
とにかく、深夜のバーで、若者とはいえ、いい年をした大人たちが、ビールを飲みながら、歓声や悲鳴を挙げて『ドラゴンボール超』の最終回の戦いのシーンに熱狂している光景は、異様でした!(笑)
私にとっては、まさに異次元。。日本のようで日本とは言えない失笑ものの「不思議な世界」でした。。しかし、21世紀のアニメ大好き少年の息子たちには、日本では経験できない「夢の国」だったようです。
いつもクールな晃司は「面白いけど、海賊版グッズにDVDばっかり。カラオケも全部、日本の作者や会社の著作権の侵害だね。。日本だったら絶対、摘発されちゃうよ!!」と冷静でしたが…。
東京喰種が、大好きな悠司は「日本じゃ売ってない主人公のマスクがある!!」と興奮して、私から1万5000コロン(約3000円)もふんだくっていっただけでなく…帰り際にはマイクを手にして、彼のカラオケの十八番である進撃の巨人の「紅蓮の弓矢」を地元青年とデュエットで熱唱し、店内を興奮と感動のるつぼに変えました!
これは感動的でした! 住む国も言葉も風習も違っても…日本の誇るマンガ文化、アニメ文化は「世界の若者を1つにする」という現実を目の当たりにし、私は近い将来の世界平和の実現を予感しました!!