見せて魅せて売る
『日本列島美味探訪』6日目。。百貨店や各種イベントでの物産展で欠かせないパフォーマンスが、料理や商品の『実演販売』があります。
われわれのブースの斜め前の宮崎地鶏専門店『ぐんけい』会長の“焼匠”黒木賢二さん(80)による炭火焼きの妙技は、圧巻です!!
30年前にご自身が考案したというステンレス製の巨大なヘラを巧みに操って、自身の農場で育て上げた宮崎地鶏を美味しく、焼き上げる一部始終を見ているとワクワクしてきます。
コリコリ、プリプリした歯ごたえの最高級地鶏のモモ肉とはいえ、130㌘で1080円と決してお安くはありませんが…それでも、売れます。出来上がる様子で、美味しいことは一目瞭然だからです。
全国物産展で勉強になるのは、日本各地からやってくるこうした名物店やその道の達人たちが工夫を凝らしたオリジナルな技や成功を収めた商法を、直接目の当たりできることです。
『匠の技の実演』といえば、この場でも何回もご紹介していますが、牧之原では『牧之原市茶手揉保存会』の妙技が真っ先に頭に浮かびます。
ビニールハウスで促成栽培され、手揉み用にきっちり「1芯2葉」ずつ手摘みされた新茶を独自の蒸し器にかけてから取り出したかたまりを手際よく揉み続けて出来上がる独特の色鮮やかな緑茶は、色も香りもそして味も濃厚かつ極上。。
機械での大量生産が始まる以前の江戸から明治時代の日本茶の香りと味わいが、たちまち口の中に充満してきます。
8年前の2010年には『第14回全国茶手揉技術競技会』で見事、最優秀賞に輝いた“日本一の手揉師”たちは毎年、市内のお茶関係のイベントには、引っ張りだこなんですが…全国規模の物産展や展覧会に、牧之原市代表として参加しているという話は、あまり耳にしません。
「こういう遠方での物産展でも、あの息を飲む鮮やかな手さばきを披露しながらお茶を販売すれば…きっと牧之原茶はもっと売れるだろうな。。有名になるだろうなあ」と思ってしまいました。
遠征費用が一番のネックになっているようですが…こういう他には真似できない技や人を活用した我が市のPR活動にこそ、行政は力を入れて、積極的に補助をするべきだと私は思っています。