「54年ぶり」の重み
今日は、本当に寒かったですね。
気象庁によると、偏西風の蛇行で大陸から真冬並みの寒気が東日本にかけて南下し、明け方から昼過ぎにかけて、関東地方各地で初雪が降りました。東京の都心でも平年より40日も早く初雪を観測。。東京の都心で11月に初雪を観測したのは、「1962年(昭37)以来54年ぶり」のことだそうです。もちろん、日本中で「沖縄の次に雪に縁がない」わが牧之原市の沿岸部は、冷たい雨でしたけど…(笑)
ニュースでは、簡単に「54年ぶり」という表現で片付けていましたが、54年前にはこの私自身、影も形もなかった大昔なので、驚きました。ちなみに当時23歳で、東京在住で司法試験を目指していた「父は何をしていたんだろう?」と興味が湧いて、昨年上梓した著書「明日がある…」を開いてみると…
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「送金も大幅に減額された司法試験浪人生活だったが、勉強は頑張った。昼は中央大学の講義を聴講し、ゼミに参加した。そしてMデパートの梱包係などのアルバイトも体験した。勉強を重ねることによって、今まで難解と思っていた法律学への知識が、格段に進んだように思えた」
「憲法、民法、刑法等の実体法。刑事訴訟法、民事訴訟法等の手続法等が、幕末、維新以降の先人たちの努力で進化し、法治国家としての揺るぎない我が国を築いていることに感銘した」
「ゼミでの模試試験の結果も悪くなく、特に択一試験の模擬テストでは正答率を90%近く取り、教師に褒められたことを覚えている」
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おー!! 素晴らしく充実した青春時代を送っていたようです。。その父は、11月の珍しい初雪をどう感じたのか?…残念ながら、記述はありませんでした。。
しかし、翌年1963年(昭38)に父は、米国留学から帰国してICU(国際基督教大)に入学したばかり19歳の母と付き合うようになり…ほどなく母を連れて、榛原の実家に帰ってきてしまい…
それから2年後に私が生まれ…今に繋がる波乱万丈の父の第2の人生劇場の幕が開くことになったのでいた。
54年前の東京の初雪は大石家にとって、そこからの激動の半世紀の前兆だったというわけです。
一口に「54年ぶり」と表現するのは簡単ですが…実際はとんでもない大昔で、そこにには昭和後期の高度成長期からバブル時代、平成不況を生き抜いてきたさまざまな日本人の複雑で濃厚な、人間ドラマ・大河ドラマが同時進行で展開されていたということです。
珍しい初雪の便りから、久しぶりに妄想が膨らみました!(笑)
私も父のように…すぐに消えてしまう都会の雪ではなく、この豊かな「故郷の土となる落ち葉のような人生を…」と思っています。
降り積もる雪はあらねど
故郷の土に帰らむ
落ち葉のやうに
地に落ちて
にわかに色は褪せたとて
春の息吹の糧になるらむ
~夏炉~