広報委員会の「提言書」について
本日の議員全員協議会で、私が副委員長を務める議会広報特別委員会が、委員長名で9月15日に議長あてに提出した『提案書』について、議題に上がりました。われわれ6名の広報委員(うち1期生5人)が10月末までの2年間の任期の総決算の1つとして、何カ月も議論を交わしてまとめ上げた牧之原市役所のホームページ内にある市議会のページの内容の修正に関する提案です。
当初、広報委員会での総意を委員長と私が、議長や「議会の適正かつ円滑な 運営を図るために設けられている」議会運営委員会(通称:議運)のみなさんに口頭で相談したところ「議題とするから文書で提出を!」とうながされて、提出した公式文書です。
一読していただければ、ほとんどの方にはご理解いただけるかと思いますが…公人たる議員としての情報公開の責務は十分に自覚した上で、個人のブログやホームページではなく、自治体の公式ホームページ内では、『個人情報保護法』の趣旨に沿って「必要最小限の個人情報の公開にとどめるべき」と提言した常識的で先進的な文書だと自負していました。
ところが、先週開催された議運での審議の末に出た結論は「議員紹介ページの内容は従来通り。ただし、メールアドレスについては、載せたい人はOK」ということだったそうです。その回答を文書ではなく、口頭で議会運営委員長が発表してから協議は始まりましたが…全員2期以上のベテラン議員のみなさんが下した判断という現実は重く…私は従来の主張を述べさせていただきましたが、議論は深まらず、そのまま議運の決定を「追認」ということになりました。
この問題については、これまでも何度も、さまざまな舞台で議論が繰り返されてきましたが、今回も議会運営委員会が「現行通り」と判断した根拠は、おおむね以下の4点です。
(1)市議会議員は選挙で選ばれた「公人」であり、一般市民とは違う。
(2)選挙の際にも選挙公報や新聞等で「個人情報」を公開している。
(3)近隣市町も、ホームページで公開している。
(4)今までもずっと掲載してきたし、何か問題や不都合があったとも聞いていない。
そのそれぞれの要旨に対して、われわれ広報委員会が繰り返し主張してきた説明は…
(1)同じく選挙で選ばれた、もっとも「重要な公人」である市長の住所、自宅電話番号、生年月日は同じ市のホームページに掲載されていない。公人であっても、最低限のプライバシーは保護されなければ、今後議員を目指す若者や女性がいなくなる。
(2)選挙管理委員会への届出と違い、公報やマスコミを通じての「個人情報」の公開は任意であり、義務ではない。
(3)静岡県内では、すでに3市がホームページ内での議員の個人情報公開をやめている。周辺自治体では確かに「議員名簿」が公開されているが…本市のように「生年月日」まで公開している市町は見当たらない。
(4)「年金番号漏洩事件」や「マイナンバー制施行」に関する国民、市民の疑問や不安が増長しているご時世に、市役所のホームページ内で「個人情報4点セット」がダダ漏れしている現状の方がおかしい。
私自身は、このホームページで自宅の住所も電話番号も、生年月日も経歴もすべて公開しています。。。議員個人個人が自分の責任と判断で、個人情報を掲載することは自由です。全然問題ないのです。ただ、誰もが牧之原市の市議会議員になった瞬間から「何の同意も署名捺印も、意思確認すらないまま、自動的に個人情報が市のホームページを通じて全世界に公開され、その記録や痕跡が議員を辞めたあとも永遠にネット上に残り続ける」という今の制度、やり方が問題だと…何十回も説明したのですが…ご理解をいただけませんでした。
私はとても冷静です。自分たちの提言が却下された腹いせに内幕を暴露しているわけではありません。そもそも、議員全員協議会はマスコミも入れる公開の会議です。なので、この文書を掲載することはルール違反でも何でもありません。
せっかくの大切な議論とみんなで知恵を出し合って出したとても先進的な公式文書が、このまま日の目を見ずに消えていくことが忍びなく、あえて市民のみなさんに、理路整然とご説明と問題提起をさせていただきました。