広報特別委員会視察
本日は、私が所属する『広報特別委員会』の視察研修で、三重県亀山市に伺いました。
『特別委員会』とはいうものの、年に4回だけ、手作りの『議会だより』を作成することばかりに汲々としている我々6人が、ケーブルテレビやインターネットでの動画配信や、ホームページをフル活用して情報公開を進めている『IT先進自治体』のノウハウを学ぼうというのが目的です。
亀山市は、人口5万454人(5月1日現在)と牧之原市とほぼ同規模、旧亀山市と関町が合併したのは、牧之原市の誕生した年と同じ2005年です。江戸時代から東海道の宿場町として栄え、当然JRの駅もあり、さらにはリニア新幹線の停車駅に立候補しているという交通の要所にあります。長年、シャープの企業城下町として栄え、数年前までは国から地方交付税を受けない「不交付団体」でした。
そうした恵まれた財政事情の下で、2004年からケーブルテレビ事業がスタートし、現在では80%以上の世帯で普及しているそうです。牧之原市にはない、その貴重な情報インフラの下地の中で、ありとあらゆる『情報公開』と『広報革命』を強烈に推進してきていたのです。
10年前から、ケーブルテレビの「行政チャンネル」を利用して一般質問や議案質疑の生中継、録画放送を実施しています。そして、5年前からは、インターネット配信もスタート。今年9月からは、臨時会を含めたすべての本会議および予算決算委員会の審査まで、スマホやタブレツト端末対応のライブ配信を開始するそうです。
さらにすごいのは、議会事務局と議員が協力して、年4回の定例会後に『こんにちは! 市議会です』という15分の動画ニュースを作成し、ケーブルテレビとホームページでがんがん配信していることです。そして、ホームページでは、議会や委員会の映像はもちろん、各議員に配られる議案関連の資料、政務調査費の収支報告書から、議長交際費の内訳に至るまで、およそすべての議会関係の資料や情報が公開されているのです!
「議会が市民に、情報を出すことで、いったい何か困ることありますか? そのためにありとあらゆる環境を整えたい。われわれは誰1人として臆することなく平気でやっています!!」と所管する『広報公聴委員会』の委員長が断言されるのに感動しました。
亀山市でも、牧之原市と同様に全世帯に配布する「議会だより」もありますが、こちらは原稿書きから写真撮影、編集作業までほとんどすべてを議会事務局の職員に任せているそうです。「紙ベースの発信も大事ですが、残念ながら情報量もスペースも限られて、とても伝えきれないからです。議会だよりの編集は、われわれ議員の仕事ではないと思う。これからの時代の議員はネットを使いこなさないと…。だから、われわれは、パソコンのできない人は置いていきます。亀山市議会は、一番後ろの人に合わせるのではなく、時代の先頭に合わせるんですよ」。60代の委員長が、こともなげに言い切ったのには、驚きました。
「こんな斬新で取捨選択がはっきりしている議会で働けたら、楽しいだろうな~! 何より、僕が毎日半分意地になって(笑) 牧之原市議会の情報公開をする必要もなくなるだろうな~」と思いました。徹底的な情報公開を実施したことで、亀山市議会議員は常に市民の視線を意識し、、仕事に対する責任感も向上したそうです。定例会では、毎回ほとんど全議員が、議案質疑や一般質問に登壇するとか。市民にとっても、議員にとってもいいことずくめの改革ですよね?
議会事務局の陣容や財政的課題もあり、一朝一夕に進められる話ではありませんが…牧之原市議会もこういう改革を真剣に議論、検討する時期に来ているのではないでしょうか?