質疑すればよかった…
今日は本会議で、2つの議案に対して「通告質疑」がありました。
「質疑」とは、本会議に提出される各議案の内容について、議題となった案件についての疑問点を市長や担当課長から説明をしてもらうことです。ただし、市の事務全般を対象にして質問する「一般質問」と違い、自分の意見を述べることは認められていません。
私は、先月末の議案説明会で概要は聞き、その場でかなり突っ込んだ質問をしていたこともあり、今回は質疑を通告しませんでした。
初めての本会議ですし、頭の中は明日12日の一般質問のことで「ほぼ満杯」というちと情けない事情もありました。その他の議員のみなさんも、思った以上に消極的で、今回質疑に立ったのは、新人の藤野守議員と3期目の太田佳晴議員の2人だけでした。
質疑の内容は、上の写真の通りです。経費削減、給与カットが当たり前の現状で、新任の監査委員にだけ、一気に2倍以上の報酬を支払うことになる議案に対し、藤野議員は「明確な理由、正当性がない」と指摘されました。
これに対して市側の答えは「業務内容に対して、これまでが低すぎた」「近隣の同規模の市(例:菊川市)と同じレベルまで引き上げたい」というものでした。
そのやりとりを聞いていた私は「それでは同じ論理でこれからは、やはり県内最低レベルの教育委員や農業委員(…そして市会議員ww)の報酬も順次上げていくわけですか?」と突っ込みたい衝動に駆られましたが、「横から入るのもなあ…」と躊躇しているうちにタイミングを逸しました。
牧之原議会のルールでは、事前通告していない議員でも、質疑に加わることが許されているのですから、遠慮せずに手を挙げて聞いておけばよかったと激しく後悔いたしました。
質疑後にすぐ、この議案に対する討論が行われ、藤野議員が「反対」、大石和央副議長が「賛成」の立場で意見を述べた後、採決となりました。私は正直悩みましたが、実際に御前崎市以外の他市と比べて、各段に低い金額だったのは確かなので、起立して賛成に回りました。議案も可決となりました。
続いて、牧之原市議会屈指の論客・太田議員が、一般会計補正予算に計上されている榛原総合病院の「業務委託報酬請求控訴事件」判決の負担金の支払いまでの経過説明の不備を厳しく指摘されました。
業務委託契約を結んでいたコンサルタント会社が請求してきた成功報酬(5000万円)を「業務に実体がない」として、病院組合が断固拒否したことで始まったこの裁判は、18回にも及ぶ公判の末に今年1月、静岡地裁で、請求金額の7割に当たる3675万円(+法定利息776万円+訴訟費用29万円)を支払うという判決が出て、確定しました。
事実上の「敗訴」ですから、いずれは払わなければいけないお金だったわけですが…その経緯報告が、市民に行われないまま全額が支払われた後で、補正予算に計上されたことを太田議員が追及したわけです。私も1市民だった時には、まったく理解していなかった訴訟の内容は、今では把握できましたが…結果的に、市議会は「追認機関」と位置付けられ、やはり納税者である一般市民は、完全に情報の蚊帳の外に置かれていたわけです。
市側の回答は…「議会軽視ではない」「これ以上の利息の発生を防ぐためにも、一刻も早い支払いが必要だった」「市としても、もっと早く広報誌に載せたかったが、病院組合のパートナーの吉田町の同意が得られなかった」というものでした。
この件だけを盾に、補正予算全体を承認しないわけにはいかないので、最終的には全員起立で可決されましたが…釈然としない思いが残りました。