県中部「連携中枢都市圏構想」
連休明けは『常任委員会合同協議会』で始まりました。当局からの報告と協議事項は、以下の7件でした。
【総務建設委員会】
・中部5市2町の「連携中枢都市圏構想」における取り組みについて…(企画課)
・平成29年度各会計当初予算の編成方針について…(財政課)
・大江配水池造成工事について…(水道課)
・市道大倉壱丁田線新設工事について…(建設課)
・大江いのち山防災公園について…(建設課)
・相良牧之原IC北側区域の開発について…(新拠点整備室)
【文教厚生委員会】
・片浜小学校と相良小学校の統合準備状況について…(教育総務課)
それぞれ、とても重要でわが市のこれからの生活に直結する事案ですが…本日は、中でも各委員からの鋭い質疑が集中した政策協働部企画課からの「中部5市2町の『連携中枢都市圏構想』について、ご説明します。
以前にも取り上げたことがありますが…静岡県中部圏域の5市2町(静岡市、焼津市、藤枝市、島田市、牧之原市、吉田町、川根本町)の行政当局は、従来から〝広域連携〟によるモデル事業への取り込みを進め、すでに今年3月には政令指定都市の静岡市がその中心である「連携中枢都市」となることを宣言しています。
今年8月には当該の7自治体の首長会議において、7人の市長と町長は、国の掲げる「地方創生の実現」という錦の御旗を掲げて「連携中枢都市圏構想の形成を念頭にした議論を加速させること」を合意しているのです。。。ご存知でしたか?
『連携中枢都市圏構想』とは……人口減少、少子高齢化社会においても一定の圏域人口を有し、活力のある社会経済を維持するための拠点を形成するため、「地方公共団体が柔軟に連携し、地域の実情に応じた行政サービスを提供する」というものです。中部地域では静岡市が「中枢都市」となり、事業実施の主体となり、国から普通交付税(約2億円)を受け取る。また、緊急時や特別の需要のある時に支給される特別交付税は、静岡市に上限1億2000万円、連携市町には同1500万円が交付されることになるというのです。
要は、首都圏や中京、京阪などの大都市圏への人口流出を少しでも抑え、静岡県中部地域が連携、連帯して1つの経済圏、産業圏を形成し、発展し、地域全体での自立と人口維持を図るための構想です。
資料ではメリットばかりが強調されてはいますが…実際は、「平成の大合併」が1区切りつき、施設的にも組織的にも「これ以上の広域合併は難しい」現状の中で、各自治体がそれぞれの意思や価値基準、そして経済的メリットなどを総合的に判断して「乗れる話には乗ろう!」ということです。
この構想に先駆的な例として、すでに静岡、焼津両市はこの春、水産物の6次産業活性化に向け、地方創生加速化交付金を活用して、都内でのアンテナショップ期間限定で開業したり、新商品開発などに取り組むなどの共同事業を開始しています。焼津市(…と藤枝市)は、今年度から始まった静岡市の「消防・救急広域化」には参加していませんから、まさに「いいとこ取り」「是々非々の連携」というわけです。
各自治体に事業ごとの参加の選択権があるというのは、結構なことかもしれませんが…この構想に対して国から支給される財源の大部分が静岡市に入り、静岡市が主体となって連携事業を構築させるとなると…結局、幹線道路から外れた最西南端の牧之原市には、この先この連携構想実現のためのインフラも道路も、サービスも届かず…逆にこれでは「静岡や藤枝方面へのさらなる人口流出が進んでしまうだけではないか???」という深刻な懸念が生じるわけです。
私が質疑の口火を切ると、同僚議員も同じ観点からの率直で、厳しい質疑を続けて委員会はこれまでにないほど白熱しました。市長がいない会議で、構想や政策への覚悟や意欲を追及されて…担当者もさぞ苦しかったことでしょう。。
しかしながら、不安や課題は山積していても、圏内人口120万人を抱える中部地域で、同4万7000人の牧之原市だけが消極的になり、すべての事業への参加をためらっていては、さらに取り残されてしまうだけです。疑問は感じていても、慎重に…しかし前向きに着実に前進はしなければならないのは確かです。
本当に厳しく、難しい状況ですが、牧之原市も強固な独自の連携事業案や主義主張を前面に打ち出し、周辺市町に対してこれまで以上の「発言力」や「存在感」を発揮していく必要性を強く感じました。