◆牧之原市の過去5年度の人口動態◆
本日は私が組合議員を務める『牧之原市菊川市学校組合立議会定例会』が1日の会期で開催されました。本年度最後の補正予算案、新年度の予算案など、3つの議案が審議され、いずれも原案通り可決、承認されました。
この議会は…牧之原市と菊川市に広がる『牧之原地域』の0歳児から中学生までを受け入れている牧之原保育園、小学校、中学校を管理・運営する学校組合の議会です。「学校組合」とは、公立の幼稚園・小・中学校の設置、運営のために設けられる特別の行政組織です。市町村が単独で教育事務を処理することが能力上不可能な場合、2つ以上の市町村が、その一部または全部を共同処理するために設けられます。1950年代には、経費負担の軽減化、経営の効率化のために日本中で約1000の組合が設けられたそうですが、自治体の大合併が進んだ現代では、全国的にも珍しく、ほとんど現存していません。
しかし現在でも、静岡県には2つだけ残っています。そして、その2つとも牧之原市が関わっています。(もう1つは御前崎市との学校組合による御前崎中学)。。つまり、牧之原市はそれだけ、近隣の市町との地理的、歴史的、文化的、そして経済的な交流を残したまま…ある意味〝不完全な形〟で平成の大合併を乗り切った言えると思います。それだけ、各地区に複雑でデリケートな課題を抱え、教育行政にも手間と経費をかけているわけです。
ご承知の通り、牧之原市は11年前の誕生以来、全国のほとんどの地方都市と同様に、長期的な少子高齢化や都会に職を求める若者世代の流出で、右肩下がりの人口減が続いてきました。そして、それに加え5年前の東日本大震災後には、南海トラフの大地震時に甚大な津波被害の想定される沿岸部からの人口流出が加速しています。
その流れを食い止めるべく、県は津波防潮堤の整備を始め、市は沿岸の各地区には避難タワー、避難路・避難地などの建設を進める一方、今年度から始まった第2次総合計画では『輝く高台プロジェクト』として津波の来ない東名相良牧之原IC北側に「新たな雇用」や「商業施設」「住宅地」を創設する構想を進めています。
実際すでに、旧榛原、旧相良、そして菊川市の一部で構成する『牧之原小学校区』では人口減は下げ止まり、震災後は沿岸部からの市民の移住などで上昇に転じています。市では平成31年度までの5年間で、高台開発により(…何もしなかった場合と比較して)600人の人口増を見込み、第2次総合計画でも発表しています。この600人の内訳の想定は「両親と子ども1人の3人家族の転入」だそうですので、牧之原小学校区の子どもの人口は、菊川市分を除いて単純計算で200人増えるということになります。
牧之原学校区では本年度は保育園に101人、小学校に150人、そして中学校には79人が在籍しています。小学校だけに目を向けると、他地区と同様に20年前(330人)から180人(55%)減、10年前(187人)からも37人(20%)の大量の減少なのですが…ここからの5年間は、近年の出生数からの推定で、現在26人の小学1年生が、平成29年度には「30人」、同30年度には「35人」と増加していきます。これに先ほどの家族による転入での社会増を含めれば……牧之原小学校の未来は、牧之原市の高台開発と共に輝きを増していくのです。
各地区の少子化対策は、行政と地域住民が一丸となって活性化対策を考えて、取り組み、地道に実行し、構想を具体化させていく以外に、解決策はありません!! 沿岸地区には、また別のアイディアとやり方があるはずです。体制の「現状維持」にだけに固執するのではなく、これからは柔軟な思考で「抜本的改革」「画期的な地域おこし事業」を創出できるよう、みんなで一緒に頑張りましょう!!
◆市内10小学校の児童数の推移◆